すり抜ける風 〜オマケ駄文〜
〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***
どれくらい眠っていたのだろう。
肩にかかる重みが胸に下りてきて、寝苦しくなったゾロが目を覚ました。胸にもたれて気持ち良さそうに眠っている男を見やる。彼の金色の髪の間に手を差し入れ、顔を上向かせた。
「おい、起きろ」
「んん....もう夜？」
「あぁ...」
「んぐっ...」
ゾロの顔を愛おしそうに見上げるサンジが唇を寄せていくと、ゾロの手が頭を引き寄せた。まんまと罠にかかったかのようだ。息が苦しくなり、サンジが先に顔を離した。
「目が覚めただろ」
「ん....まだ覚めねぇ....」
もっと...とばかりに唇を尖らせてサンジが迫ると、今度はゾロの熱い舌が入ってきた。少し面倒臭そうにサンジの口内を舐めると一度だけ吸い上げて、唇を離した。
「これでしっかり覚めただろ」
「.....こっちも起きちまった...」
サンジはゾロの手を取り、その起きてしまったという場所へ導く。
「腹減ったからメシが先」
「えー！メシの方が大事なのかよ！」
「うん」
「何だよ...楽しそうな顔して言うなってんだ....くそっ」
サンジは早々に諦めて、キッチンへと向かった。それならさっさと食べて、後でゾロとゆっくり...と思った。てきぱきと作業を進めるサンジは、その集中力のせいで、背後からゾロが見つめているのに気付かなかった。
サンジはオーブンに皿を二つ入れるとタイマーをセットした。
「よし....これで後は....ん？」
ダイニングテーブルを見ると、すでにゾロが準備をしてくれていた。
「それ、あと何分くらい？」
「あぁ....15分ちょっと...かな」
「それだけあれば充分だ」
ゾロがキッチンに入ってきた。
調理台を背にしたサンジの前に立つと、片手で抱き寄せ、もう片方の手はサンジの下腹部へと下りてきた。
「....また寝ちまったか？」
「....っ」
「もう起こさねぇ方がいいか？」
「....俺に訊くなよ」
「....こっちは正直だな....素直で可愛いじゃねぇか」
ゾロが言葉を発する度に、サンジの耳元に息がかかる。
「ちゃんとしっかり立ってろよ」
「何....する気だ」
「分かってんだろうが」
「こんなところで.....」
「まだ料理終わってねぇだろ。出来上がるまでにヤルんだよ」
「.....こんなの.....」
「何だ？嫌なら止めるけど」
「....いい、さっさとヤリやがれ」
ゾロが膝を落とし、サンジのボトムを手際よく緩めると、するりと脱がせた。続けて下着も下ろした。硬く張り詰めていたサンジ自身が姿を現す。
そこへゾロの顔を近付いてくる。生温かい息がかかる。
「んん....」
「まだ、何もしてねぇのに....」
手は使わず、最初からゾロの舌が這う。裏筋を根元からゆっくりと。舌が先端に到達した時には、先走りがとろとろと溢れてきていた。サンジは思わずゾロの頭に手をやる。
すげぇ...と小さく呟きながら、ゾロはかぷりとソレを丸ごと呑み込んだ。舌を絡め喉を動かしながらサンジを包み込む。
「ああっ.....ぁっ....」
サンジの手の力が強くなり、緑の髪をくしゃくしゃと掴む。足元もおぼつかなくなり、いつの間にかスリッパを脱ぎ散らかしていた。
「ゾロ....すげ.....イイ」
もう何も考えられない。今さっきまで作っていた料理の内容さえ、忘れてしまった。ゾロがいったん中断して息を整えると、サンジの耳元にまで来て言う。
「サンジ」
たったその一言を聞いただけで、サンジの体内の血流の勢いが変わったように感じた。
「ゾロっ....俺、もう....」
再びゾロの熱い舌と唇で包まれた。一気に落とされていくような感覚に、サンジは強くゾロの肩を掴んだ。サンジ自身はさらに硬度を増し、ゾロの喉を突き上げていく。
ゾロの動きも急に速くなる。吸い上げも強くなってきた。
「あ....っ」
「......」
「イ.....クっ....」
少し前屈みになりながら、ゾロの肩にしがみついたまま、サンジは果てた。サンジの腰をしっかりと抱えながら、ゾロはサンジの吐いた熱を全て飲み干した。
辛い体勢にも関わらず、ゾロはサンジの息が整うまで、そのまま抱き締めていてくれた。
"♪♪"
オーブンのアラームが鳴り響き、サンジはハッと顔を上げた。
「すげぇタイミング....」
「ジャストだったな」
「まさか、おめぇ...計ってたのか？」
「何となく、だけどな」
「じゃ、これ取り出して....食おうぜ」
「その前に....それしまっとけ」
ゾロがサンジの膝で止まっている下着やボトムを指差して言う。
「着るの手伝ってやろうか？」
「い、いらねぇ！自分でやるから」
自分だけがこんな格好でいることに、はたと気付いたサンジは少し顔を赤らめながら身支度を整えた。ゾロがそれをわざとらしく見ないフリをして、ニヤニヤしているのが何とも憎らしい。
(後でお前も思いっきり啼かせてやるから、覚悟しとけよ！)
そして何事もなかったかのように、食事が済み、食器がシンクへと運ばれていく。サンジは手際よくそれを洗い始めた。テーブルを拭いた後、ゾロはソファに座りサンジから一番見える場所を陣取った。
「サンジ」
サンジが顔を上げると、ゾロが大股を開いて座っているのが見えた。
「ちゃんと俺から見える位置に居ろ」
「ゾロ....？」
「時々顔も見せろ」
「いったい....？」
サンジの視線がゾロの股間に移動した。一瞬、見間違いかと思った。
「ゾロ....何考えて....」
「ほら、手が止まってるぞ....さっさと済ませろ」
ゾロが少し笑ったように見えた。挑発的なその表情に、サンジの目は釘付け。それと同じくらい気になるのは....。
「ジロジロ見てんじゃねぇ。早くそっちを片付けろ」
「何、するつもりなんだ？」
「そのうち分かる」
ゾロが自分のボトムに手をかけた。ボタンを緩めジッパーを下ろす。どう見ても脱ぐ動作にしか考えられない。
「傍で見たいんなら、さっさと終わらせろ」
「おいっ....ゾロ？」
「気が散るから....今から俺は喋らねぇから」
サンジの刺すような視線を避け、ゾロは誰も見ていないかのように、体に残ったものを脱ぎ捨てた。目を閉じ、自分自身に手を添えた。
サンジはまだ目の前の光景に少し混乱していた。しかしどうやらこのゾロの行動は、からかっているとか、冗談の類ではなさそうだ。
(誘ってるのか....ちょっと刺激的過ぎるんじゃねぇ？)
ちらりとゾロの方に視線を戻すと、その手は自身をゆっくりと扱いていた。ただそれだけなのに、扇情的だった。サンジがこのままここから眺めていたのでは、仕事も終わらない。
(気になって集中できねぇ！)
一瞬、ゾロが薄目を開けてサンジの方を見た。微かに動いた唇は、"さっさとしろ"と言ったような気がした。
手を滑らせないよう注意を払いながら、サンジは食器を洗い、最後のすすぎをしながらも、ゾロの方も何度か目をやった。さっきより表情が艶かしい。
「まだイクなよ...待ってろ」
サンジは手を拭きながら、キッチンを飛び出した。最短距離でゾロのところまで歩いていった。
「.....ゾロ」
「ったく...遅ぇな....もうおめぇの仕事なんざ残ってねぇ」
「一人でヤルつもりだったのか？」
「あぁ、もうそこまでキテル....」
「もういいっ...後は俺にヤラせろ」
そう言いながらサンジはゾロの手を取り、ソコから離そうとした。ゾロは掴まれたその手をサンジの口の方へと近づけた。
「....舐めろ」
ゾロのとろとろの体液が絡まった手のひらや指の間を、サンジは丁寧に舐め取っていく。その間にもゾロ自身はまた新しく同じ体液を吐き出している。
「キリがねぇ....」
今度はサンジの舌が直接それを掬い、受け止め、舐める。零れ落ちそうなモノを舌で取り、ゾロ自身の先端の亀裂に舌を這わせた。
「んんっ！」
思わずゾロの腰が引ける。
「口で...？それとも....」
サンジの問いに、ゾロは息の半分混じった声で答えた。
「今すぐ....口でイカせろ」
命令なのか要求なのか。
いつだって優しくて、俺を甘やかすクセに。
肝心な時は偉そうで強引だ。
サンジは、翻弄されることを知らず望んでいるのかも知れない。
「もうこのままヤルからな...止めないからな」
「さっさと.....しろ」
「んんっ...」
「はぁっ.....ァ」
「......」
「んあっ....ぁぁぁ....っ」
最後は声にもならない声を発し、息を詰まらせ歯を食いしばりながら、絶頂を迎えた。ゾロの指の間にサンジの髪が絡みついている。思い切り掴んでいるから、何本か抜けたに違いない。
「はぁっ....はぁっ.....」
「んぐっ.....」
口の中に思い切り注ぎ込まれた白濁の液を、やっとのことで飲み下したサンジは、顔をしかめながら訴えた。
「痛ぇ...てめっ....ハゲたらどうしてくれんだっ」
「色男が台無しだな」
「モテなくなったらおめぇのせいだからな！」
「まだモテる気でいたのかよ？」
「何悟った風なこと言ってんだ？おめぇだっておんなじだろうが？」
「見てくればっか気にするようなヤツは、こっちから願い下げだ」
「...って、全くおめぇは自分のこと全然わかってねぇんだな」
「ま、誰にもモテなくなっても大丈夫だ。俺だけはその程度では変わらねぇから」
「ん？」
「ずっと....」
ずっと...何だよ？サンジはその続きを聞こうと耳をそばだてた。
「お前が好きだ」
一瞬耳を疑った。
「ゾロ....」
本当にゾロの口から出た言葉かどうか確かめようと、サンジが視線を上げると、ゾロはいつの間にか乱れた服を直し、立ち上がっていた。
ゾロのあんな姿を見せ付けられて、サンジの熱は再び上がってきていた。ここで逃がしてなるものか。
「おい、まだ終わってねぇぞ？」
サンジはゾロを追いかける。
何で、こんなに好きなんだろう。
こんなにも、傍に居たいのだろう。
ゾロはバスルームへ向かいながらブツブツ言っている。
「いちいち付いてくんな」
そんなことを言われても気にしない。気にしていたら、とてもヤツとはやっていけない。でもそのうちゾロは顔を覗かせて言うはずだ。
「何だ、入ってこねぇのか？」
お誘いには、素直に従うのが一番だ。
「すぐ行く」
サンジはパタパタと足音を立てながら、バスルームへ向かった。
fin.
■このようなオマケ文にまでお付き合い下さり、ありがとうございました。もうグダグダしててスミマセン！分かりにくいですが、ゾロもサンジにすごく惚れてることが伝わったでしょうか？
こんな二人ですが、どうか温かい目で見てあげて下さい。ここまでお読み下さり、本当にありがとうございました。
感謝を込めて..... 杏 拝
2009.08.05
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