〜小悪魔の館〜

オレンジの風に吹かれて


　〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***




大きな声を出すまいと、唇を噛もうとしてはすぐに解けてしまうサンジの口を、ゾロがそっと塞いだ。サンジはほぼ無意識に、ゾロの唇に吸い付き舌を絡ませてくる。

(声がどうとか言って、巧い事言いやがって)

ゾロは膝の上の男のペースにまんまと嵌っていた。

(コイツ....)

目を閉じ、全てを委ねるような表情で。
サンジはゾロにしがみついて、今まさに訪れようとしている上昇線の頂に手を着こうとしていた。塞がれた口は激しくゾロを貪り、鼻からは甘い喘ぎ声が抜けてくる。

呼吸困難になる一歩手前。

(その瞬間だけは、俺に見せろ)

ゾロはサンジの唇を解放した。浴室内に響き渡る掠れた嬌声と共に、彼は最高潮に達した。

今まで見た事のない、サンジの美しい表情に目を奪われた。

ゾロは自分の中の何かがストンと落ちたのを自覚した。

重々しく蓄積した、あるいはモヤモヤと燻った何か。それがまるで霧が晴れるようにスッキリと透明になっていく。
そしてその後には、埋めたくて堪らない空洞ができている。
決して嫌な感じではなく、その空洞を意識する度に、ドクンと胸が波打つ感じがした。

これは何だろう。




少しずつ激しい呼吸が落ち着きを取り戻し、ゾロの左手の中にあるモノが硬さを失ってくる。




「マリモ....」
「ん？」
「もう...ソコ...手ぇ離せ」
「.....あ、あぁ....」

サンジの顔を眺めながら、左手の中のモノを離そうとせず、ずっと握っていた。すっかりゾロの手に馴染んでしまったようだ。少し名残惜しかったが、手を引っ込め、膝からサンジを下ろした。ぴったりと並んで座り、ゾロはサンジの耳のすぐ傍で話し出した。

「どうだった？俺の手」
「ど、どうって.....」
「....ふっ」
「なんだよテメ...思い出し笑いすんじゃねぇ！」
「....すげェいい顔だった」
「またそういう事.....」

サンジの顔が赤く染まるのを楽しそうにチラリと見ながら、ゾロは続ける。

「癖になりそうだ」
「なるかよ、バカ」
「違う....俺の方が、だ」
「っ......」
「またあの顔が見てぇ....声も聞きてぇ」
「......いい加減にしやがれ.....」

(このエロ剣士.....)

よくもまぁ、そういう事を平気で言ってのけるものだと、サンジはまだ赤みが退かない顔で呆れながら聞いていた。

「でもなぁ....他のヤツにあの声聞かせるのはマズイしな」
「他のヤツ....っ」

サンジは言葉に詰まった。思い出したくなかったが、ゾロの膝の上に居るところをウソップに見られたのだった。きっと二人の関係を勘ぐっている事だろう。別にただ、ちょっとした助け合い運動だったと釈明しても、いや実際そうなのだが、多分信じてはもらえない。

「お....やっと収まりやがった」
「ん？」

ゾロが自分の股間を確認した。つい先ほどまではサンジもその硬さを確認できていたが、今になって元の姿に戻ってきている。サンジは興味なさそうにしながらも、ちらと横目でその状態を観察した。

「ん？コック、ガッカリしたか？」
「バッ....バカかてめェ.....」
「でも、おめぇがちょこっとその手で弄ってくれたら....」
「調子乗んな」

本当は今すぐ触ってやりたくて、サンジはウズウズしていた。でもそれを素直に言う事には躊躇いがあった。

「おめぇのイクとこだけ、俺が見たけど...いいのか？」
「なな、何だよ急に」
「自分だけそういうの見られるのが嫌だって、さっき言ってたじゃねぇか。だったら....」
「.......」
「.......」
「.....分かった。ほら、来い」

仕方なく、というフリをしながら、内心はその逆だった。膝にゾロを乗せ両腕でぎゅっと背中から抱き締めた。ゾロは少し驚き、そしてほんの少しだけ焦った。



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二人ともまだ余裕あるフリしてますが....。分かりにくい展開でスミマセン。次はゾロの番です。





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