〜青い薔薇 番外編 4〜
飛翔〜AnotherStory〜
〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***
は、もういっぱいいっぱいだった。
「今日は本当にたくさん描かせてもらったし、帰りたいところだけど...ちょっと疲れたし、少し寝させてもらうわ」
「ゆっくり眠れるといいんだけど...」
「ありがとう...」
は、ふらふらしながらベッドルームへ移動した。
「ちゃん...そっちのセミダブルの方...」
「うん、分かった...」
(あっち側のって...ダブル...じゃなくてまだ大きいサイズよね...やっぱり二人で寝てるんだ)
は、落ち着かなかったが、眠くてしょうがなかったので、横になった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「どうする？」
「どうって？」
「ここで...？それともベッドに行く？」
「が居るんだぞ」
「何だよ、さっきは俺達のカラミを描け、とか言ってたじゃないか」
「自分の意思で見るのと、勝手に横でヤラレるのとは大違いだろ」
「ゾロにしては真面目な回答だな」
「あぁ？」
「その悪そうな顔...堪んねぇ...」
先に仕掛けたのはサンジだった。最初から舌を絡みつけ、口内を舐めまわしていく。逃げようとするゾロの顔を、しっかりと手で固定する。
「んんっ...ぁ...っ」
いつもとは違う、早い呼吸...サンジの目が少し赤い。
「俺...食われそうだ」
「へっ...食い尽くしてやらぁ...」
サンジがゾロの両手をしっかりと握り、耳の周辺から順に舌を這わしていく。ローブの紐は緩み、前は肌蹴ているので全裸と変わらない。
「うぁっ...くっ...」
いつの間にかゾロの下半身にまで、サンジの頭が下りてきていた。手が塞がっているので、初めから口を使う。ゆっくり舐めるのは最初の1回だけで、すぐに深くまでソレを呑み込んだ。
「はぁぁ....何だよコレ...」
強く深い快感に、あっという間に身体を支配されそうになる。サンジが口での愛撫を中断して言う。
「ゾロ...何かすげェ...感度良過ぎだな」
「....はぁ....いつもと、違う感じがする...」
「俺、その声聞いてるだけで...ヤバイ...」
「おめぇのも...途中までしてやる」
跪いているサンジの身体を持ち上げ、ソファに座らせると、ゾロはその股間に顔を埋めた。瞬間、熱いぬめりがサンジ自身を包み込んだ。
「あっ...ゾロ....んんっ...それ...ちょっ...」
思った以上の快感に、サンジはそれ以上言えなくなった。そしてそのまま容赦なく、ゾロの愛撫が続けられる。サンジの背中を、じわじわとせり上がる絶頂感。そろそろ耐え切れなくなりそうだった。
「ゾロ...横になれ」
「あぁ....」
互いにもう、長くもちそうにない。サンジは、横たわるゾロの分身を口に入れると、ゾロもまた、サンジのソレを咥え込んだ。
くぐもった喘ぎ声と鼻から抜ける息が、混ざり合う。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「はぁ....」
「ぐぁっ....」
「ゾロ、また上手くなったんじゃねぇの？」
「おめぇこそ...」
「ったく...どこで鍛えてんだよ」
「...男相手はおめぇだけだ」
「....嬉しいような...微妙だ」
「それでもおめぇに比べりゃ、まだまだ経験不足だ」
「まだ磨くつもりかよ...あんまり上手くヤリ過ぎると、女が離してくれなくなるぜ？」
「まだそんな相手には、遭遇してねぇが」
「これから、だ...」
「...まだ寝てんのかな」
「ついつい普段より、デカイ声出しちまったからな」
「ちょっと見てくるか」
ゾロがローブをひっかけて、ベッドルームへ入った。の寝ているベッドに近付いていく。
「...」
返事はない。静かな寝息が聞こえる。
「ゾロ？ちゃん...寝てるんだろ？」
「あぁ...」
「そっとしといてやれ」
「いや...それが」
「ん？」
「この服...寝苦しいんじゃねぇのか？何か楽な服に、替えてやった方が..」
「おめぇが着替えさせてやるのか？」
「サンジも手伝ってくれ」
「うーん...」
途中で起きたら、大騒ぎになりそうだ。でも確かに、このままだと寝づらいのは間違いない。
「じゃ、実行」
サンジとゾロが連携してテキパキと動き出した。明かりは完全に落とし、の衣服を脱がし始めた。
「ゾロ..見えてる？」
「いや」
「まるで見えてるようだな...その手の動き」
「何が言いてぇ？」
素早くＴシャツを着せた。サンジの持ってる中でも、小さめのを選んだ。長めだから、裾は膝上まである。
「これで...ちょっとは楽だろ」
「ゾロ...俺達はこっち」
サンジは自分達がいつも寝ているベッドへ、ゾロを誘った。
「が起きてきたら...どうするんだ？」
「見てくれても俺はOK」
「お前のファンなのに？」
「そんなこと...考えてる余裕ねぇんだよ...俺は」
そうして第2ラウンドが始まった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
(ううん...)
は爆睡中だった。それからしばらくして、徐々に眠りが浅くなってきている。体は動かないが、音にだけは反応できる。
(何か、ギシギシ...隣の部屋かしら？やーねぇ...)
彼女は、まだ完全に目が覚めていなかった。宿泊中のホテルの部屋で寝ているつもりでいた。
(それにしても、この音、近いわね...)
だんだん視界がハッキリしてくる。
(ん？)
「うわっ...」
余りに驚きが大きすぎて、悲鳴にすらならなかった。その程度の声の大きさでは、彼女の眼前で激しい動きを繰り広げている、二人の男の耳には届かなかった。
何か声を掛けようと思っても、声が出ない。
(それに...今声を掛けたりしたら...良くないわよね、きっと)
「あっ...ゾロ...俺っ...」
「ふっ...ぁ...んん...」
二人の激しい呼吸がしばらく続く。ゾロの背中に崩れ落ちたサンジが、こちらを向いた。
(........うっ..目が合った)
「おはよう...ちゃん」
「....おはようございます」
「よく眠れた...？」
「..ええ..まぁ.....ああっ！！？？」
「どうしたの？」
「わ、私っ...服が...」
「寝苦しそうだったから、着替えさせてあげたよ」
「....サンジ君がしてくれたの？」
「ゾロと二人でね。ちゃんと真っ暗にしてたから、俺達見てないから...心配しないで」
「...............そう、それはありがとう」
(見てないって言っても...触ったよね...きっと)
は一体何がどうなっているのか、混乱してきた。ここに居ると、常識では考えられないことばかり起こる。自分の感覚が狂ってくるような気がする。
「お、目が覚めたのか...」
「...おはよう、ゾロ」
「風呂、良かったら入れよ」
「え...そ、そうね、ありがとう」
「俺と入るか？」
「ええええ、そんな、一人で入れるわよ！」
「背中とか...洗ってやるぞ」
「いいえ、結構です！」
「何、遠慮してんだ...おかしなヤツ」
(駄目駄目、おかしいのはあんた達よ！)
「じゃ...ちょっと失礼するわね」
「ごゆっくり〜」
がシャワーを浴びて戻ってくると、何やら美味しそうな匂いが漂っていた。
「ちゃーん、朝御飯できたよ、一緒に食べよ」
「...あ、ありがとう...そう言えばお腹すいたな」
サンジの作った美味しい朝食を3人で食べ、は帰ることになった。
「忘れ物...気をつけて」
「うん...大丈夫」
「あ、ちゃん...良かったら連絡先教えて？」
「え...、それじゃ、これ...」
は自作の名刺をサンジに手渡した。
「遠いから大変かも知れないけど...また良かったら来てよ？」
「うん、またいつか」
「、次は俺と一晩付き合え」
「えっ？ゾロと...」
「酒、な」
「あ、あぁ、お酒...ね。いいわ、付き合うわよ」
「酒以外でも、付き合うぜ？」
「まぁ、その時の気分次第でね」
「何だ、最近、ゾロは女癖悪くなったのかよ？」
「あぁ？おめぇに言われたかねぇ」
「俺はフェミニストなんだ。間違えるな」
本当に仲がいいことで...。は苦笑しながら二人を見ていた。
「じゃ、ホテルまで送るよ」
「ううん...ここでいい...すぐにタクシー拾えると思うし」
「そう？本当に？」
「ええ」
「じゃ...また会えますように..」
サンジの柔かい金色の髪が、の頬を撫でた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ホテルの部屋に戻ったは、荷物の整理を始めた。バッグからスケッチブックを取り出して、パラパラと眺めてみた。
「えええっ...こんなのいつの間に描いたのよ！」
サンジとゾロが全裸でカラんでいる。それも何枚も描いている。
「これ...私が要求したポーズなのかな...？」
描く私もアレだけど、描かせてくれる二人もスゴイ。
「もう、こんな機会には、恵まれないよね、きっと」
は、二人に会った記憶が鮮明なうちに、スケッチに着色し始めた。やり出すと楽しい作業だ。
「さ、明日は帰るぞ」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
♪♪♪〜
の携帯にメールが届いた。
サンジからだった。
『ちゃん、ごめん..言いそびれた！
Happy Birthday, to you』
ありがとう、サンジ君...。
今年の誕生日は、一生忘れられないだろう。
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