すり抜ける風


　〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***



「.......冗談だ。俺結構重いからな。おめぇの手はいらねぇよ」
「......俺が非力だと思ってるだろ？ゾロの一人や二人、どうってことねぇ」
「二人はいくら何でも無理だろ」
「バカか。わかってるよ。ほら、俺につかまってみろ」
「いいって。一人で行ける」
「いいから....」

サンジが退かないので、ゾロは仕方なく従った。少しよろけながらも、ゾロを抱え、ベッドルームまで移動した。ゾロをそっとベッドに横たわらせながら、サンジは荒い息をする。

「ほら、息あがってんじゃねぇかよ」
「大丈夫だって」
「もう、1回ヤッタ後みてぇだな」
「つまんねぇこと言ってんな！」
「....サンジ」
「え？」
「........してくれ」

そう言った後、ゾロは目を閉じた。

("シテクレ"...って、ゾロ...その言い方は反則だろっ)

また涙を滲ませながら、サンジはゾロの顔のあらゆる場所へキスを落とした。最後に唇へ...と思っていたら、ゾロが薄目を開けた。舌先を見せながら少し焦れた感じで言う。

「.....まだ、来ねぇのか？」
「急かすなって」
「さっきみてぇに....」

ここへ来る前にリビングで、サンジがゾロにしてやったように。

ゾロの目を見ていたら、早く気持ちよくしてやりたいという気にさせられる。こんなにストレートに、目を逸らさずに、求めてくるなんて滅多にないことだから。

「...待たせたな」
「んっ...ふあっ...ぁ...」

少し軟らかくなりかけたその部分は、サンジの手が一撫でしただけで、息を吹き返した。サンジは思わずソレをギュッと握りこみ、その感触を手に記憶させようとした。トク、トク....と手の平に伝わる脈拍。熱さ。ゾロの思いを一番ダイレクトに伝えてくれる場所。

サンジの手の動きが止まっているのを、訝しそうにゾロが見ている。そのゾロの手に、サンジの左手が載せられた。それが始まりの合図となった。

「楽にして....力は抜いとけよ」
「..........」
「速さとか....力加減とか...お前の好きにするから言ってくれ」
「.....うん」
「.....っ、ゾロ」
「....ん？」
「いや、何でもねぇよ」

サンジは鼻の奥がツンとしてきた。

(何か急にコイツが可愛く見えてきた...気のせいか？)

サンジの手が再び動き出す。ゾロの閉じられた瞼がキュッと動いた。体の奥の方から生まれてくる快感を追いかけている。眉間にも皺が寄せられる。

「んっ...あっ」
「そうだ...口も開けとけよ」

サンジの左手に重なっているゾロの右手に、時々力が入ってくる。


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