すり抜ける風


　〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***



何とも言いがたい微妙な空気が漂う部屋の中。拗ねてリビングへ舞い戻ったルフィを追って、エースがベッドを抜け出した。頭をガシガシ掻きながら、その後姿をゾロが眺めている。

「..............」
「..........？」
「......」
「....何だよ....言いたいことあんなら言えよ」
「言葉も出ねぇ」
「俺だって、何がどうなんだかさっぱり分からん」
「当の本人が、何を寝惚けたこと言ってやがる！」
「別に好きでこうなった訳じゃ....」
「....どっちなんだ？」
「あ？」
「どっちが....誘ったんだ？」
「何を....」
「多分....エースが勝手に....強引に迫ったんだとは思うけど」
「......」
「男だったら逃げられる....んじゃなかったのか？」
「.....そんなコト前に言ったな」
「逃げないってことは、だな....」
「逃げるなんて俺はしたくねぇ。でもな、言いなりになった訳でもねぇよ」
「じゃぁ....？」
「さっさと終わらせたかっただけだ。エースも....お前にだいぶ煽られたんだろうな。結構ギリギリだったみてぇで.....楽にしてやった」
「なっ.....」
「お前の声.....結構聞こえてたぜ.....離れて聞くとあんな感じだったんだな....すげェ色っぽかったぜ？」
「おめぇ.......」
「ま、細けぇことは気にすんな」
「気にすんなって...何でお前が言うんだ」
「....あんな声出しやがって」

ゾロはサンジから視線を外して言った。

「ん？」

サンジの胸にさっきから絡まっていた疑問...不安....何か分からないモノが一気に上がってきた。

「ゾロ...」
「あん？」
「お前さ....エースに....」
「？」
「ちょっと....調べさせろ」
「おいっ....」

ほんのり鼻先が赤くなりかかっているサンジ。何をそんなに思いつめているのか？その普通とは違う様子にゾロも少し慎重に応じた。

「何だ、お前な....」
「少し触れば分かるから」
「俺はなっ....」
「ゾロ.....」
「心配すんな。ヤラレてねぇから」
「........」
「何だよ？その疑り深い目は」
「疑惑を晴らすためにも、協力しろ」

ベッドに手を付き、体重を移しながら、サンジはゾロの方へと近付いていく。ゾロは溜息を小さくついた。体を起こし、膝立ちになりながら言った。

「分かった。好きなだけ調べろ」

そんなに俺が信じられないのか、という表情の中にも、少しでも疑いがあるのならさっさと晴らすのが一番だという、強い意志が見てとれた。
サンジはベッドの端に座り、くるりと向き直り、ゾロの正面に体を向けた。片手でゾロの腰を支え、もう片方の手はゾロの背中からするすると滑り下り、硬く引き締まった双丘の間へ入っていく。


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