〜学園シリーズ　完結編〜

花、におい立つ。


　〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***





部屋に戻ると、そのままベッドへ直行した。ゾロはサンジの頭を支えながら、そっと横たえさせた。意識的にサンジを丁寧に扱おうとしているのが分かる。

顔や身体に触れるゾロの左手、そっと重ねられる唇も、もどかしい程優しかった。激しく求められるのかと身構えていたサンジは、手持ち無沙汰になり、ゾロの頭に手をやり、短い髪をくしゃりと掴み、指で梳く。

「っ....」

くすぐったくて身を捩じらせそうになったが、ゾロの手から逃れる事もなく、じっとされるがままだった。ゾロの手はサンジの胸からそろそろと下腹部へと下りていく。ゾロより少し細身ではあるが、しっかりと腹筋が割れていて、硬く引き締まっていた。

1年半前、ゾロと再会したサンジは、ゾロのその身体の鍛え方に目を見張った。無意識のうちに"負けたくない"という気持ちが湧き上がった。その結果が今のこの肢体を作り出した。

その硬い腹を滑り降り、ゾロの手がさらに下へと移動する。柔かい毛の感触と同時に熱く硬いモノが手に触れた。まだ、それだけの事なのに、ゾロは自分が興奮してくるのが分かった。

「サンジ」

名前だけを短く呟いて、ゾロはそのまま手を動かし続けた。根元から先端へ向け、ゆっくりと撫で上げた。それを何度か繰り返す。その後は握り込んでから扱き上げた。

「んっ....」

やはりただ触るだけとは違うようだ。急にサンジの呼吸が変わった。ゾロの手が上下に動く度、その先端から滲み出す液が手に絡まった。それが潤滑剤となり、ゾロの手の動きを助けている。

「ゾロ....」

サンジの両手がゾロの背中に回った。もう全てをゾロに委ねると決めた時、サンジはこうする。ゾロもそれを理解した。

サンジにいっぱい感じてもらいたい。いつもサンジが自分にしてくれるように。ゾロはただ、そう思うだけだった。

やや水っぽい粘液で、ゾロの手は濡れていた。その手を恐る恐るサンジのペニスから後ろへとずらしていく。守りの堅い窄まりは、例えゾロの指であっても容易には受け入れなさそうだ。ゾロは昨日のサンジの手の動きを何度も思い返しながら、指をゆっくりと動かした。

(全然駄目....本当に俺に出来るのかな....)

少し焦りながら、でも焦ってもどうにもならない事も分かっているので、ゾロは続ける。自信なんて全然無かった。

でも、サンジを自分だけのモノにしたい。




「はぁっ....んっ...ぁ...」
「サンジ....」

膝を立て、開いたサンジの足の間に、ゾロが頭を埋めている。そこから硬く勃ち上がるモノを口に入れ、舌を這わす。その後ろに潜む堅い守りも次第に緩み、ゾロの指先を辛うじて受け入れていた。

「サンジ....ちょっと腰上げて」

そう言ってゾロは枕をサンジの腰の下へ置いた。よく見えるようになったその部分へ唇を近づけた。熱い息をゆっくり吹きかけ、舌を伸ばした。

「あ.....」

か細く糸を引くようなサンジの声に、ゾロの舌はさらにねっとりと動き回る。唾液を押し込みつつ、指で中を解していく。まだ浅いところ迄しか挿入できない。

(サンジがやってくれたのって....本当はよく覚えてねぇ....)

ただ覚えているのは、とにかく気持ちがよかったという事だけ。

「ゾロ？」
「.....ん？」
「どうした？何か気になるのか？」
「.....これ以上入りそうになくって」
「コッチも.....一緒に触ってくれ」

サンジはゾロの手を取り、自分のペニスに触らせた。ゾロが一つの事に集中している間に、そのままほったらかしになっていた。少しだけ硬さが残っている程度のその部分を、ゾロが丁寧に扱き上げていく。

ゾロは再び、その閉ざされた場所へ唇を付けた。舌先から捻じ込み、出し入れしてみた。今度は指も入るような気がした。そして、ゾロの手の中のサンジ自身がさらに硬くなったようにも思えた。

「サンジ....力抜いてて」

手の平を上に向け、中指を挿入した。今度はすんなりと呑み込まれていくようだった。ゆっくりと中で動かしながら、あるポイントを探っていく。再び、ゾロは昨日サンジがしてくれた時の事を思い返した。あの部分に触れられた時の感覚は、何とも例えようの無いものだった。

それを今日は、ゾロがサンジに。

(どのへんだったっけ....)

ゾロの指がさ迷うように、中を動いているのが分かり、サンジは何だか可笑しくなってくる。ゾロは目の前の事に集中していたが、サンジはどこか冷静だった。

ただ、静かに目を閉じて待っていた。




「んぁぁっ」

静寂を破り、サンジが声を上げた。ゾロの指の動きが一瞬止まった。

「サンジ？」
「.....あ.....ソコ.....」
「ココ....で合ってる？」
「んっ....あぁっ」

質問しながらその答えを待たずに、ゾロは指を再び動かす。サンジから教わった通りの感触。ココに間違い無さそうだ。

「おいっ....待て...ゾロ....」

掠れた声でサンジが抗議する。ゾロは指を動かし続けながら、サンジのペニスを口に含んだのだ。ただじっと口に入れているだけで、ソレはまた一段と硬くなり一回り大きくなったように感じた。

(すげぇサンジ....イク前みたいになってる)

ゾロの口の中にじわりと広がるサンジの匂い。ゾロは少しも零したくなくて、ちゅっと吸い上げた。

「ああっ....」

サンジの手がゾロの頭をぎゅっと掴んだ。息もかなり弾んでいる。

「サンジ....」

ちらりと見上げたサンジの顔。苦悩の表情に、ゾロは胸が熱くなった。サンジの中に入ったままの指をそっと小さくかき回してみた。締め付けは殆ど無くなっている。そのままゆっくりと人差し指も挿入した。

再び指を動かしながら、口の動きも再開した。何度か続けざまに、唇を窄めて扱く様にすると、サンジは声を上げ達した。





「ゾロ.....」

サンジは放心状態から徐々に戻ってきた。まだ荒い息が収まらない。さっきはイキそうでちょっと危なかったので、ゾロにそう言おうと思っていた矢先だった。まさかあのまま一気にイカされるとは予想外だった。

「サンジ...」
「ん？何だおめぇまで一緒にイったみてぇな顔して」
「うん....」

少し充血した目でゾロは短く答えた。サンジはすぐに手をゾロの下腹部へと伸ばした。

「あ、大変だゾロ.....ちょっと出て....」
「サンジうるせぇ....」

サンジの手が触れた途端、ビクビクと動き熱くなる。

「どうする？」
「サンジ....」
「手、動かしたらヤバそうだ」
「んっ」
「おいっ...自分から動いてどうするっ」
「あっ....」

サンジは素早くゾロの熱の塊を、口に含んだ。びくん、と1回だけ動くとそのまま留まっている。ゾロは息を詰めて耐えているようだ。

(イキたいんだろ？だったら何で....？)

我慢する理由なんて無い。サンジはゾロの熱いペニスを吸い上げながら扱いた。その動きに合わせ、ゾロは声を上げる。そして数回続けると、さらに声を上げて果てた。

少し零れかかったモノを、サンジが舌で舐め取りながら訊いた。

「さっき、何であんなに我慢してたんだよ？」
「......」
「自分で動きたくなるくれぇ、イキたかったんだろ？」
「気持ちよかったから」
「ん？何で？」
「.....1回我慢した方が....もっと....」

その後は言いかけて止めてしまった。サンジはその意味を理解した。

(ゾロ、おめぇヤバイよ....)

欲望をぶつけ合うだけでは、足りないのだ。

そして、渇きは収まる事なく、また次の欲望は生まれてくる。





体は充分鍛えてあるので、数分あれば回復する。特にゾロは今日の目的を達成する迄、何が何でもやり切るつもりだった。

サンジが身構えるより先に、ゾロが愛撫を再開する。要領を掴んだのか、指は真っ直ぐにサンジの中を進んでいく。指先はじっとしたまま、ゾロはサンジのペニスを口に含んだ。まだ、柔かかった。

唇で食むようにしながら、緩く扱いていく。少しだけ硬くなったが、さっきほどでは無い。しかし、じっとしたままだったゾロの指が動いた途端、状況は変化した。





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