〜学園シリーズ 完結編〜
花、におい立つ。
〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***
「んっ....」
みるみる腕を上げるゾロに、サンジは少し複雑な思いを抱く。でも自分の為に無我夢中になる時は、素直に可愛いと思う。しかし今、自分を抱こうと言うのだ。生意気な後輩だ。
「んっあ....あ....」
どんなに我慢しようとしても声が漏れる。サンジの中の敏感な場所では、複数の指が蠢いているようだ。そしてゾロの口の中に取り込まれたままのサンジのペニスもすっかり成長したみたいだった。
手の甲を目の上に載せ、じわじわとせり上がる快感の中に漂う。口呼吸のせいで乾く唇を、時々舐める。サンジは再び、絶頂点へと向かい始めた。
サンジの中を、3本の指で解していく。絶対に無理だと思っていたその場所は、今は難なくその指を呑み込み、柔かく包み込んでいる。
「サンジ....中、すげぇ柔かくなってる」
「.....くっ.....ん」
「それに熱い」
「....んんっあっ....やめ....」
限界いっぱいに張り詰めているサンジ自身からは、たらたらと体液が流れ出る。ゾロは、その先端に舌を這わせ、零れ落ちるモノを受け止めた。明らかに先走り液とは違う味がした。
「サンジ....」
自信は無かったが、ゾロは意を決して指をそろそろと抜いた。名残惜しそうに、口に含んだモノを離した。
「痛かったら止めるから」
サンジを苦しめるくらいなら、ゾロは自分で処理した方がマシだとさえ思った。
「てめ.....らしくねぇ事言うんじゃねぇよバカ」
余裕などないクセに、サンジは悪態をついてくる。さっさと来い、とばかりに手で合図をした。ゾロはぐっと身体をサンジに寄せていった。そして、心許ない手つきでサンジの中心を目掛けて、自身の先端を宛がった。
「んっ」
「うっ.....ゾロ....そのまま....」
「んっ...すげぇ.....キツイ..けど」
「んんっ.....」
受け入れるような造りでは無いその場所が、硬く熱いモノを包み込む。そして受け入れられるとは思えなかったその中は、圧迫感はあるものの、拒絶されている様子は無かった。
「....入って....る？」
「.....あぁ....だいぶ」
「痛くねぇ？」
「....あぁ...何とかな」
「サンジ....」
本当は痛いんじゃないだろうか。ゾロはまだ心配だった。動いたらどうなるんだろうか。と、そこへサンジが腕を伸ばしてきた。
「そんなに俺が心配なら....キスしろ」
「.....サンジ」
言われなくても、今やろうと思っていた。サンジの唇に触れるとすぐに、舌が入ってきた。ゾロは誘われるままに応じ、すぐに激しい吸い合いになった。
「あ.....ゾロ」
「サンジ....俺....」
「何モタモタしてんだ」
サンジは腰を突き上げた。慣れない行為はお互い様なのに、なかなか動き出そうとしないゾロを後押しした。
「あっ.....うわ全部.....」
「ゾロ....ゆっくり、だぞ」
「うん......」
サンジが言うように、ゆっくりと腰を動かし始めた。そろそろと途中まで退いて、また奥へ向けて押し入れる。
(あ....すげぇ締まる.....)
もう少し動きを速めれば、気持ち良さそうだ。そして、すぐに終わりそうだ。
「「ああっ」」
少しの向きの違いで、互いの最も感度のいい場所に触れ合ったようだ。
(さっきの....もう1回....)
サンジが気持ちよくならなければ、自分もよくならない。だから、とにかくアノ場所に触れるよう、何度も何度も腰を動かした。
「んっ....ゾロ...も...いいから....来いっ」
「あ......サンジぃっ......」
再び唇を貪りあいながら、動きは速く激しくなっていく。ゾロの背中に回るサンジの手が筋張ってくる。
「んっ...んっ...んっ......ぅ.....ぁあ....」
「くっ....あっ.....サン.....ジ...っ」
ゾロの動きが止まり、サンジの手には、いっそう力が入っている。
小さい頃から、サンジを知っていた。多分サンジも自分を知っていた。でも、サンジが他の小さな子供と遊んでいるのを遠巻きに見ているだけだった。
初めて話しかけられて、本当は嬉しかった。でもわざと素っ気無い態度を取った。自分の事を生意気だと言いながらも、気にかけ可愛がってくれた。
サンジを追いかけて同じ学校を受験した。絶対に受かりたくて必死に勉強した。多分今までで一番勉強しただろう。でもサンジはサッカー部のスター選手。いつも周囲はファンの女子達が取り囲んでいた。
無意識のうちに頭の中に流れ込んできた、遠い日の記憶。何だか懐かしく、胸が温かくなる。ゾロは我に返り、自分の下にいるサンジの存在を確認した。
「ゾロ.....どけ」
「.....やだ」
(さっきまであんなに喘いでいたクセに、もう邪魔者扱いかよ)
ゾロは自分の重みがかからないよう気遣いながら、サンジの身体を抱いた。
「俺....サンジの事...好きだ」
「......な、何、言ってんだよバカ」
「ずっと好きだった」
「ゾロ.....？」
いつから、と訊かれても、明確には答えられない。でも、間違いなく好きだった。ずっと気になっていた。
「俺が....部活引退した時くらいから？」
「......もっと前かも」
「そ、そっか.....」
あの時は、久々にゾロと会い、サンジは自分より身体が大きくなっていたゾロに驚いたのだった。カッコよくなったな、と思った。
何で、俺なんだ？そして、何でお前なんだ.....？
でも、理由なんて、どうでもいいか。
「ゾロ....やっぱり重い。下りてくれ」
シャワーで互いを洗い合い、また熱が上がる。身体のそこかしこに冷め切らない熱の名残。そしてそこに互いの手が触れる度、快感が生まれてくる。
「駄目だ俺.....サンジと居たら、ずっとこんな風に....」
「おめぇだって、すげぇエロい手の動きしてんだろ」
「なっ...俺は普通にこうして....」
「それがエロいんだよ....その目も.....声も....」
「だからそれは.....サンジだから....」
「あーあ....またおっ勃てやがって.....」
サンジの下げた視線の先には、天を仰ぐゾロの分身。そう言うサンジのモノも、煽られたのか半勃ちになっている。
「ココで出しとくか？」
「......うん」
「じゃ、どうしたいか言ってみな？」
「.......」
「ゾロ？」
「.....サンジの....口の中で....イキたい」
ゾロの頭を撫でると、サンジはスッと片膝を落とし、姿勢を低くした。
「んぁ..........」
ゾロの声がバスルーム内に響いている。快感が次々と湧き出てきて、息をつく暇も無かった。立っているのも辛くなる程だったが、サンジは容赦しなかった。
「だ.....駄目っ....無理....」
膝をぐらぐらさせながら、ゾロはサンジの肩を掴む。しっかり立とうとすれば、快感に耐えなければならず、快感を追いかけようすれば、膝の力が抜けてくる。
「ゾロ、踏ん張れ.....俺は助けねぇ」
「あっ......んっ....ぐぁっ」
思い切りサンジの肩を掴み、何とか立っている状態で、ゾロは果てた。歯を食いしばりながら、まるで何かを搾り出しているように、断続的な痙攣が収まるのを待っている。
「ゾロ.....もう俺、お前見てるだけで....聞いてるだけで充分だ」
「.......サンジのも.....」
「もうお前フラフラしてんじゃんか....」
「これくれぇどうって事ねぇよ」
すっかり硬くなっているサンジの下半身に、何も前置きも無くゾロが口を近づけた。その途端ぴくりと反応し、先端から透明の液を滲ませた。
「ほら、コッチの方は正直だぜ？サンジ」
「うるせぇ....さっさとヤレ...んっ...ふぁっ」
ゾロの口の動きは的確にサンジの弱いところを狙ってくる。もう足の力がすぐに抜けてきて、それをゾロがしっかりと支えた。サンジは快感に集中できる分、すぐに終わってしまいそうだった。
「はぁっ.....んっ....ゾロっ....い.....」
こんなに感じてくれているサンジの姿に、ゾロは嬉しくてさらに口の動きを速めた。時々吸い上げると、サンジの声がいっそう高くなる。
ゾロの頭を掻き抱き、声を詰めながら、サンジは達した。快感が深く激しいほど、その後に訪れる痙攣も強い。なかなか呼吸が収まらない。そんなサンジを抱き締め、髪を撫でながら、ゾロは深い充足感を味わった。
＊＊＊＊＊＊
「サンジ？！」
「あ.....大丈夫だ」
腰に手を当てながら、少しよろけたサンジに気付き、ゾロはサンジの背中を支えようとした。
「痛いのか？」
「大丈夫だって」
「歩くの....変な感じするだろ？」
「.....ちょっとな」
「.....」
「どうした？」
「俺も....昨日...」
「そっか....それで」
「え？」
「自転車、乗りにくそうにしてたから」
「知ってたの？」
「そりゃ、気付くだろ....俺をなめんなよ」
サンジはゾロの頭を自分の方へと引き寄せ、ククッと鼻で笑った。ゾロは自分が思っていたよりもずっと、サンジが見てくれているのだと知った。
ぎゅっ、とサンジを背中から抱き締める。サンジは何も言わず、ゾロの腕に自分の手を重ねる。しばらくじっとして、そしてサンジは前を見たまま言う。
「どうだ、また俺に惚れただろ？」
「......うるせぇ」
いつものように言い返しもせず大人しくなったゾロに、サンジは意外そうな顔をする。そして後少し、そのままゾロの腕の中に抱かれていた。
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