Ｄｅｂｕｔ

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「んんっ....もう無理だ....ぁっ」
「んっ.....」
「ぐぁっ.....」

サンジの髪をくしゃくしゃと掴みながら、ゾロは絶頂を迎えた。サンジはその濃い味の体液を、ゆっくりと飲み込んだ。そしてそのまま二人は脱力して、しばらく動かなかった。






やはり二人とも疲れていたのだろう。久々に肌を合わせたとは言え、身体を支配したのは睡眠欲の方だった。互いの体温を心地よく感じながら、二人は眠りに落ちた。


そして朝。時間は分からないが、かなり日が高くなってきた頃。

「......」

ゾロが薄く片目を開けて伸びをした。枕元にある携帯のライトが点滅している。メールを確認しながら、ゾロはサンジに話しかけた。サンジは、なぜ自分が目覚めているのがゾロに分かったのか不思議だった。

「お前、パスポート持ってるよな？」
「へっ？」
「パスポートだ.....知らねぇのか？」
「知ってるけど！それが何なんだよ」
「外国で撮影だ」
「どこ？何の撮影？」
「行き先は未定だそうだが.....海がある場所になるらしい.....写真集だ」
「.......写真集？」
「そうだ」
「......この俺が.....？」
「出発はまだ先だ。映画のオーディションの後、3,4日くらいで調整中だ」
「ふーん」
「何だ？」
「......しばらく日本に居ないって事は...」
「ん？」
「何日もお前に会えねぇって事じゃねぇか」
「.....会えるさ」
「何で？」
「俺も、同行する」
「........え？」
「......」
「本当かっ？」
「あぁ」
「......」

サンジは起き上がり、ゾロに抱きついた。

「てめっ、それを先に言えよ！」
「痛ぇよ」
「うるせぇっ....」
「ついでに言うと、部屋も一緒だ」
「部屋....？」
「撮影中と移動中は現地のボディガードも付くが.....まさか夜までガードさせる訳にはいかねぇだろ」
「.....」
「お前は自覚がねぇかも知れねぇが....一人だと狙われる。俺が居れば大丈夫だ」
「......俺が、心配？」
「....だから一緒に居るんだろ」
「今回の同行って、お前が志願したのか？」
「いや....最初から決まってたみたいだ。さっきの社長からのメールに、必ず一緒に行けって書いてあった」
「そっか....社長に感謝しなきゃな....」
「現地では何が起こるか分からねぇから....用心の為なのか....他に考えがあっての事かは、何とも言えねぇがな」

たとえ仕事であっても、何日間か二人で海外へ旅行できるというのは、思いがけない事だった。サンジは知らず心が浮きだってくる。

「おい、その前にオーディションだぞ.....」
「あ、忘れてた.....忘れてたかったけど」
「ちゃんとやる事はやっとけよ」
「おぅ....分かってるって.....」

身体を密着したまま、サンジが何か気付いた風な顔をした。

「ん？」
「何か当たってるんだけど？」
「...おめぇもだろ」
「.....抜いてやろっか？」
「別に溜まってる訳じゃねぇ」
「夕べ出したばっかで、溜まる方が怖ぇよ」

そう言いながらサンジはゾロの下腹部へ手を伸ばす。ゾロも同じくサンジに手を触れた。

「ゾロ....お前下になれ」

サンジは寝ているゾロの頭に跨り、ゾロの股間へ顔を近づける。

「ちょっと時間無くてアレだけど.....できるだけ一緒に、な」

互いに互いのモノを口に入れ、その後は快楽を与え合い満たし合った。口が塞がっているので、甘い言葉の一つもかけられないが、充分気持ちは理解し合っている。途中休みも無く、あっと言う間に二人は絶頂へと上り詰めた。

「はぁっ.....すげぇ.....こんな短時間でヤッたの初めてじゃねぇ？」
「ぁ.....」
「何かさ、くっついてイチャイチャして、あれこれやるのもいいけど....こういうのも悪くねぇよな.....」
「....ま、たまには、な」
「.....？」
「俺はお前の顔、ちゃんと見たい」
「.....そりゃ、俺だってそうだよ、決まってんだろ」






「あーあ...休みって、何でこんなに早く時間が過ぎるんだ」
「それだけ中身が濃いって事だろ？」
「うん.....確かに濃いよなぁ、お前のは」
「何の話してんだ」
「お前の愛の表現は、濃厚だって事だ」
「またお前はそうやって.....」

夜が更けていくのを惜しむように、抱き合い、触れ合った。翌日に疲れが残る事など、全く気にもせずに。


＊＊＊＊


あんなに緊張していたオーディションだったが、当日になると度胸が据わってしまい、開き直って伸び伸びとした演技ができた。サンジは自分でも分からない、不思議な力が働いているような気がした。自分を存分に出せたので、落ちてしまったとしても全く悔いは無かった。



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....。





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