〜小悪魔の館〜
オレンジの風に吹かれて
〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***
「あら、今からお風呂？」
「....あぁ」
「今....サンジくんが入っていったわよ？」
「コックが」
「いつも最後に入るのに....」
「俺がこの時間に入るの、知ってるはずなんだが」
「忘れてたんじゃないの？何か考え事でもしてたのね」
「...........何かあったのか？」
「さぁね？とにかく行ってみたら？お風呂は広いんだし、待つ事ないじゃない」
「....そうだな。行ってくる」
「あ....ゾロ」
更衣室へ上りかけるゾロを引き留め、腰の物を指差す。
「ここに置いておけば？どうせ帰りもこの部屋を通るんだから」
「....じゃ」
ゾロはナミに3本の刀を手渡すと、梯子を上った。
着替えを置き、衣服を脱ぐと、ゾロは大浴場の扉を開けた。
中に居たサンジが驚いて声を上げた。
「......うわっ....てめっ何で入ってくんだっ」
「風呂に入りたいから、以外に何がある」
「俺が入ってんだから、後にしやがれ」
「アホか....ここは2人でも3人でも、一緒に入れるくらい広いじゃねぇか。別々に入ってたら時間の無駄だろうが」
「あー分かったよ....その代わり俺に話しかけんじゃねぇぞ」
「別に、頼まれたって、そんな事しねぇ」
顔を合わせれば、いつもこんな調子である。サンジは別に喧嘩がしたい訳ではないのに、気が付けば突っかかってしまっている自分に気付く。
ゾロもサンジの事が嫌いという訳ではなかったが、なぜかすぐ喧嘩になってしまうので、きっと相性が悪いのだろうと思っていた。性格も趣味も、ルックスも、見ている夢も違うのだから.....似ているところがまるでないのだから、当然と言えば当然の事だった。
身体を洗い終え、ふとサンジの方を見ると、もうとっくに洗い終わっているはずなのに、出て行こうとしない。微動だにせず、バスタブの中で、ぼんやりとしている。
どうしたのかと、そっと観察してみると、目はどこか遠くを見ているようで、何気なく落とした視線の先---サンジの下腹部には、明らかに変化が見られた。タオルを巻いてはいるが、中心部が起き上がっているのが分かった。
「.....ったく、頭ん中どうなってんだよ」
さらにゾロはサンジに近付いていった。耳元に口を寄せ囁いてみる。
「.....困ってんなら、手伝おうか？」
「ひっ...なっ.....何だよてめェ....、気色悪ぃ事すんなっ」
「ココが....お困りのようなので」
ゾロが意地悪そうな顔で指差した先には、通常他人に見せびらかしたりしないモノが堂々と存在していた。
「てめー！話しかけんなっつったろ！関係ねぇだろ！あっち行けよ！」
「耳元で怒鳴るなよ」
「くっ....だから、おめぇこそ、そんな声で喋んな」
「俺の声、クルか？」
「.......だーれが、クソ剣士なんかに」
「せっかく手伝ってやろうってんのに、人の好意は有り難く受取りゃぁいいのによ」
「お前の頭はどうなってるんだ！どこをどう間違えたら、そういう発想になるんだ？え？」
「男の事は、男の方がよく分かるだろ」
さっきから楽しそうな顔で、絶対からかっているとしか思えない。サンジは一瞬、「まさか、俺に気が有るのか？」と思ったりもしたが、どうもそんな風にも見えない。ただ、遊んでいるだけなのだ。
「とにかく！プライバシーの侵害だ！離れとけ！」
「同じ船にいて、プライバシーもへったくれもあるか」
「あーあ、デリカシーのねぇクソバカマリモには難しい話だったみてぇだな」
「あァ？てめェ、やんのか？」
ゾロは立ち上がった。サンジが見上げた先には、できればあんまり近くで見たくないモノがあった。
サンジは戦意喪失した。
「............やんねぇよ」
「？」
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お約束の様な、ゾロとの言い合い。やっぱりコレが無いとね。ところで、お風呂が広くなったという事は、待たずに誰か入ってくるって事なのです。これだと色々と不便だなーと思う今日この頃(笑)。
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