〜小悪魔の館〜

オレンジの風に吹かれて


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何も手をかけてやらなくていいのなら、それに越した事は無い。ゾロはできればナミと馴れ合いたくは無かった。あくまでここの一味の仲間同士。覚えが無いとは言え、借金が増えていくのはどうにかならないものかと思っていたが、"身体で返す"方法を提示され、感情を伴わないでいいのなら、と安請け合いしたのだった。

(しかし....好きでもねぇ男と....できるもんなのか？だいたい普段からこんな血も涙も無ぇ事やってのける女が、まともに男と付き合えるのかも分からねぇがな)

そう言うゾロも自慢ではないが、身を焦がすような恋をした事も無ければ、女との情事に嵌ったという経験も無い。修行の邪魔になるだけ...と言えば聞こえはいいが、特に自分から働きかけもしないしその様な機会も皆無と言って良かった。仮に誘惑があったとしても、一切乗らないし、気付いていない状況が多かったという事も充分ありうる。

その代わり、男からの誘いは数え切れない。ガタイのいい屈強な海の男達の中では、どちらかと言えば小柄な部類に入るゾロがそういう扱いを受けてしまうのは、ある意味当然だった。しかし、大多数の者がその外見に騙されて、軽い気持ちでゾロに手を出そうとしたところで、無事で済んだ者は居なかった。



ナミは、ゾロに最初に会った時、それを見抜いた。無理やり押さえつけようとすれば抵抗するだろうが、助けてくれと乞えば、嫌とは言わない筈だ。自分の身体が役に立つのなら、と考える男だと。


「んっ....」
「おい」
「何よ...っ」
「動きづれぇのか？」
「ちょっ....今日は....駄目」

もう随分息が上がっている。こんなナミは初めて見た。

「こっちが動こうか？」
「.....」

いつもは、絶対それはさせない。ナミが好きに動いて好きなタイミングで果てる。ゾロにはイク事は許さない。偉そうでクールぶっている(本人には、そんなつもりはないが)、この男が極限で耐える顔を見てやりたいだけだ。しかしゾロは、いつも平気な顔をしていた。「今日は、もういいわよ」とナミが言えば「おう...ちゃんと借金引いとけよ」とだけ言って、去っていく。

本当に可愛げのない男だ。

「.....おい」
「ん？」
「しっかり掴まってろ」
「...あっ...やっ....」

ゾロが激しく腰を突き上げると、ナミは瞬く間に昇天した。

「うっ....」
「はぁ....もう....急にやんないでよ.....」
「お前....今日はすげぇ締まってんな....」
「そ...そう？自分もイキたくなった？」
「それは俺の仕事じゃねぇ」
「ふーん...可愛くないわね」

イカせてくれと、頼んできたら....1回くらいはいいかなと思っていたけれど。やっぱり止めた。

またナミは動き出した。

「今日は、ペースが遅いな」
「....ちょっと疲れてるのよ」
「....最初のが、よっぽど良かったんだな？」
「....えぇ、とっても」
「今回はどうする？」
「.....」
「最後まで自分で動くのか？」
「.....それは....」

珍しくナミが弱気な表情を見せた。それがゾロのお気に召したらしい。

「ま、できるところまで自分で動け。これ以上無理ってトコに来たら、止まれ。続きは俺がしてやる.....最後までな」

やはりゾロも男だ。ずっと処理道具のように使われる事に、プライドはかなり傷つけられていた。それを充分に承知して、ナミもこんな事を要求しているのだ。

ナミは、そのプライドをくすぐるには、弱みをほんの少し見せればいい事をちゃんと知っている。こうすれば頼み込まなくても、さらに良い仕事をしてくれるだろう。



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あわわナミさん...こんなに酷い女に書いてゴメンね。ゾロがさっぱり役得に見えないところが悲しいような可笑しいような....





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