〜小悪魔の館〜

オレンジの風に吹かれて


　〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***




ゾロの前でどんな顔をすればいいのか分からず、息が整うまでの僅かな時間、サンジはゾロの肩に頭を載せたままにしていた。その間ゾロは何も言わず、サンジの放出したモノを洗い流していた。まだ直後だったから、触られると痛いようなくすぐったいような変な感じがした。

「んっ....」
「どうした？」
「.....情け無ぇ....」
「...ま、生きてりゃ色んな事があるさ」
「......俺は、まだ....よく分かんねぇよ」
「......」
「頭ん中ごちゃごちゃだ」

(ま、こんな鈍感な脳みそも筋肉みてぇなヤツには、俺の気持ちなんか分かんねぇだろうけどな....)

ゾロはゆっくりとサンジの身体を離した。いつまでもくっついている理由もなかった。離れた途端、サンジは急に身体が冷えていくような気がした。

見るつもりはなくても、目に入る。ゾロは股間のモノを隠そうともしない。タオルもかけない。

(まさか....俺がイクのを見て欲情したってのか？)

そんな事を考えながら、脱力ぎみにサンジはゾロの方を眺めていた。ゾロは自分の股間に目をやり、ふ、と短い溜息をついた。

「いつもは湯を浴びたら収まるんだがな」
「いつもは...って、毎回出さずに済ませてたのか？」
「あぁ....気合で勃たせてたから、縮めるのも似たようなもんだ」
「...で、今回はなんでか収まらねぇってわけか」

(そんなデカブツ、目障りなんだよ！どっかで出してくりゃいいのによ)

「女もサカルんだな」
「あ？」
「今日はあの淫乱女....3回もヤリやがって....ったく借金なんか無けりゃ、こんな事...」
「黙れっクソボケマリモーーっ」

サンジの拳がゾロの顎を掠めた。ナミがどんな酷い事をしたとしても、彼女を侮辱するような言い方には我慢がならない。サンジは自分が手を使ったのも、誰よりも大切な筈だったナミの為だと思えば言い訳が立った。

「......てめェ、コックは拳使わねぇんじゃなかったのか」
「るせー！これ以上ナミさんを悪く言うんじゃねぇ」

ゾロはじんわりと滲んできた血の味を感じ、排水口へ向かって唾を吐き出した。少し掠った程度だと思っていたのに、的確にダメージを受けたようだ。足だけでも威力があるのに、手も使えば相当強いんじゃないだろうか、と今は関係無い事まで頭に浮かんでくる。

「悪い事は言わねぇ。アイツ....ナミの事は諦めろ」
「おめぇに関係ねぇだろ」
「おめぇの事は、都合よく動いてくれる奴隷か召使くれぇにしか思ってねぇ。そんなの俺にだって分かる」
「....だったら、どうだってんだ」
「仲間同士で....フェアじゃねぇだろうが」
「俺は自分の好きでやってるから、いいんだ....ほっといてくれ」
「ふぅ....」

またゾロは溜息をついた。そしてどういう訳か、自分の股間へ手を伸ばした。ゆっくりと扱き始めている。

「マリモ君？何....してるのかな？」
「見りゃ分かるだろ....コイツを引っ込める」
「そんなの俺に見せんな！...つかどっか別の場所でヤレ！あー、せめて背中向けてヤレよ」

そこまで言ってサンジは気付いた。もう自分は全身を洗い終えて湯船に浸かっていたのだった。用は済んだのだから、ここから立ち去りさえすれば済む事だった。

(何で、いつまでもココに居るんだろ？)

確かにナミの事で相当なショックを受けたし、傷つきもした。でもここに長く居ても何も解決しない。ゾロに話をして慰めてもらいたい訳ではない。

「マリモ」
「....あ？」

サンジの方を見たゾロの目は若干血走っていて、気だるそうだった。声は半分以上、息が混じっている。サンジは自分の全身の血が逆流してきそうな気持ちになる。



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少しは隠そうとかいう気持ちは無いのだろうか.....





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