〜小悪魔の館〜

オレンジの風に吹かれて


　〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***




「.....言っとっけど、俺は男が好きなんじゃねぇからな。あ、いや深い意味はねぇけど....とにかくアレだ、借りは作りっぱなしはご免だ！今ココで耳揃えて返してやらぁ」

サンジは、さっきのゾロがしてくれたのと同じように、ゾロの身体を抱え、頭を自分の肩にもたれさせた。ゾロの左手に手を添え、"交代だ"とばかりにその左手の中のモノを、サンジの右手が引き継いだ。

「もう一度言う。これは借りを返すためだからな」

(誰が好き好んでクソ野郎のブツなんか触るかよ。俺はレディ限定、その中でも....)

ナミ限定、ときっぱりと言い切れない自分が居る事に、サンジは深い悲しみを覚える。そしてその悲しみを振り払うかの様に、右手を動かし始めた。ソレは確かに、サンジのモノよりずしりと重みがあるような気がした。実際は大差はないのだろうが、先ほど見た時のイメージが先行して、そう思えたのかも知れない。

とにかく、初めて他人のモノをこんな形で扱う事になろうとは、想像すらできない事だった。

「...おい、やんねぇんだったら、手ぇ離せ」
「....あ」

また脳内がトリップして、手が疎かになってしまっていたらしい。サンジは再び手を動かす。

「悪ぃ....」
「.........」

(ん？何で俺....こんな事で謝ってんだ？)

「....余計な事、考えるな」
「....ん？」
「集中しろ」
「....るせー！その口叩けなくしてやるぜ！」

一旦手を止め、イメージを作った。絶対にこの男を....。

(俺は、一体何がしたいんだ？)

その疑問もそのうち解けるのではないか。

「くっ....」

サンジが手を動かし始めて間もなく、ゾロが喉に押し込めるような声を出した。サンジは思わず耳を澄まして、聞き取ろうとしていた。動きに連動して、呼吸も乱れてきている。

唸るような低い声に混じり、時々鼻に抜ける甘い声も出す。それも必死に耐えているのが分かった。

「は.....ぁ....」
「てめ.....」

サンジはなぜか腹立たしくなってきた。理由は分からない。イライラしてきた。それがゾロに対してなのか、自分に対してなのかも分からなかった。

次第に濡れてくるサンジの手。扱きあげる度、隠微な水音が出る。それを聞くのが、居たたまれないほどだった。

「う....」

ゾロが顔を上げた。手はサンジの身体を掴んでいる。直接肌に触れているから、掴まれている場所が痛い。喘ぎとも吐息とも知れない、激しくなりつつある呼吸音。眉間に皺を寄せながら目を瞑り、歯を食いしばっている。

このままだと眩暈か何か起こして倒れるのではないか。


「おい、マリモ」
「.....」
「もうちっと力抜け....聞いてるコッチまで息苦しくなってくる」
「....駄目...っだ」
「あ？何で？」
「.......声.....出ちまう」
「.....」

サンジの中で何かが崩れた。あるいは切れた。

「なっ.....い、いいじゃん出せば」
「.......」
「.....聞かせろよ」
「.......無理、だ」
「だから何で？」
「..........」

(それって、この俺の前で声出しちまうなんて、てめェのプライドが許さねぇってか？)

サンジもつい先ほど、あられもない声を一瞬だが出してしまった。恥ずかしいという気持ちさえ捨ててもいいと思うほど、ほんのひと時の快楽に没頭した。

「はぁっ....」

サンジはコツを掴んできたのか、的確にゾロのイイ場所を通過させながら扱きあげる。一定のリズムを時々崩し、数秒止めてまた動かすと、心の準備ができないまま快感を受けるので、声が漏れてしまうのだ。



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サンジが目覚めてしまうのも時間の問題？





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