〜小悪魔の館〜
オレンジの風に吹かれて
〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***
やがてゾロは、サンジの肩に前頭を押さえつけるのを止め、もたれかかるように載せた。肩を掴んでいた手は下ろされ、サンジの背中に回された。
抱きついている、と言った方が近かった。
サンジも気付けば心拍数は上がり、呼吸も少し荒くなってきている。収まったはずの熱は、再び頭をもたげている。
そしてそれを否定する程の余裕も無く、ゾロを感じさせる事に集中していた。もっと声が聞きたい。目を閉じているこの顔を見ていたい。
「んぁっ....あ....」
「マリモ...ちゃんと声出しやがれ」
「うあっ」
「すげぇ....いい、顔だ」
サンジの手の中で、さらにソレは硬くなった。
「ぐぁっ」
頃合を計り、動きを速めると、ゾロの手がものすごい力でサンジの身体を掴んだ。痙攣に合わせ身体も動き、息を詰める声がする。サンジの手は勿論、二人の腹にも白濁の体液が飛び散っていた。
ゾロと同じように、肩で息をするサンジ。ゾロが次第に落ち着いてくると、そのサンジの変化に気が付いた。
「おめぇ....」
「....な....何だよ」
「また、チンコ勃ってんぞ」
「うっ....黙れっ何変なコト口走ってんだ...変態かてめっ」
「見たままを言ったのに...何で変態なんだ」
「い......？」
サンジはやっと自分の身体の状況を理解した。
「こんなの....気合で鎮めれる」
「コッチの方が簡単だろ」
ゾロがまた手を伸ばしてくる。逃げるとか手を払いのけるとか、全く頭が回らない。サンジは自然と身体の力を抜いていた。
正直、かなり気持ちがイイ。
いや、しかし。
(このままだと、ヤバイ展開になりそうだ)
目の前の快楽に流されてなるものか。もう戻ってこれないかも知れないではないか。
強い意志で対抗しようと試みたが、身体はあまりにも正直過ぎた。抵抗しないのを勝手に良い方へと解釈し、ゾロはサンジのペニスの根元からゆっくりと撫で上げた。サンジは思わず数回瞬きをする。
「コック....てめェの身体、ヤラシイ」
「なっ....人の事言えんのかっ....んっ.....」
「ほら....つべこべ言わずに気持ちよくなれ」
それが当たり前かの様に、サンジはゾロの肩に頭を載せていた。ちらとゾロの顔を窺うと、興奮の熱らしきものは失せ、優しい表情を見せていた。それでも左手はサンジのモノを無駄の無い動きで愛撫している。
「あっ....ん」
自分でも驚く程の声を出してしまい、サンジは思わず手で口を押さえた。
「気にすんな。俺しか聞いてねぇ」
「気にするに決まってんだろ！」
「だから、初めに言っただろ。ここで起こった事は全部忘れるからって」
あぁ、確かにそう言ったっけな.....
全て忘れてくれて自分も忘れる事ができるなら、それが一番だろう。しかし、仮に奇跡的にゾロが全てをきれいさっぱり頭の中から消し去ったとしても、サンジには到底無理な話だった。
今のこの状態を自分だけが覚えてる。そんな事を思い描いて、サンジはなぜか憂鬱な沈んだ気持ちになった。
「もういいよ」
「あァ？」
「全部......覚えててくれていい」
「何だ？気が変わるにしては、急だな」
「変わる時は一瞬だ」
「....そうか、じゃ....この目と耳と....手にも焼き付けとく」
そう言うと、ゾロはサンジへの愛撫を再開する。絶妙なリズムで手が上下を往復する。
「は....ん」
「手で口を押さえるのは禁止だ」
「んんっ....」
「力を抜け」
「あああっ....あっ.....」
「ちっ」
サンジの声も呼吸音も、ゾロの全神経を刺激する。ついさっき放出した筈の体液が、また出口を求めて蠢いているようだ。急速に熱が篭ってきているのが自分でも分かる。
これが欲情というやつなのか。自分の気合などというものは、今は役に立っていないようだ。気持ちとか心とか思考とか、そんなのとは全く別のところから、身体を支配されているような気分だった。
このままこの男とここに居て、こんな行為を続けていたら、この身はどうなってしまうのか。ゾロは自分が冷静で居られなくなると直感で思った。
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サンジ、腹括りました。
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