〜小悪魔の館〜

オレンジの風に吹かれて


　〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***




サンジは数秒間唇を押し付け、ゾロが抵抗しない事を確認すると、ゆっくりと角度を変えつつ接触を深くした。そして唇を開くと同時に舌を挿し入れた。

ゾロは動揺を隠すかのように、受身である事を否定するかのように、自分からも舌を出し、応戦した。それを歓迎したサンジの舌先が、ゾロの舌の表も裏も側面も舐め、濃厚に絡ませる。

いつか恋人ができたら、こんなキスをしてみたい....と。サンジは夢見ていた。

(相手がこんなヤツだけど.....まぁいいか)

まだ、恋人ではないが。


サンジは少し雰囲気に酔っていたのかも知れない。でも自棄になっていた訳では決してなく、ちゃんと考えて、本能の部分で目の前の男を選んだ。

そして本能で、また相手も同じ気持ちだと、感じ取っていた。


＊＊＊＊＊＊＊＊


「マリモ」
「.....ん」
「結構気持ちイイもんだな....これだけでも」
「....そうか？」
「おめぇは、気持ちヨクねぇの？」
「......」

目を逸らして横を向いたゾロを見て、サンジは堪らなくなった。誘ってるとしか思えない、その表情に。

「もう1回....してぇ」
「.......」
「こっち向け」

サンジがゾロの顎に手を添え自分の方を向かせた。サンジが唇を寄せていくと、ゾロも応えてくる。サンジより先に舌を絡めてきた。

(おめぇも....気持ちイイ....って事だな)

酸欠になるくらいの長く続くキスが、浴室内に隠微な音を響かせている。サンジはまるで壊れ物を扱うかのように、ゆっくり優しく舌を動かしながら、口の中を舐めたり吸ったりした。

「....口ん中....まだ痛ぇだろ？」
「.....んなモン...とっくに治った」
「まだ...ココが」

ゾロの唇の内側の傷の上を、そろそろとサンジの舌が撫でた。

「もう治ってる....何もすんな」
「でもまだ痛そうだぜ？一応俺のせいだし」
「原因は俺が作った...だからおあいこだ」

そう言いながら、サンジから離れていく。

ゾロは背中を向けると湯船の湯を手で掬い、顔をザブザブと洗った。まるで"もう俺に触るな"とでも言いたげだ。

(こういう時は....強引にしねぇ方がいいよな、多分)

次は自分が口の中を切る羽目になるかも知れない。サンジは伸ばしかけた手を引っ込めた。もう一度ゾロの身体に触れたかったが、諦める事にした。

(....って、そうそう一緒に風呂入る事なんて、無ぇしなぁ...)

ゾロと二人きりで裸で居ても怪しまれない、唯一の場所なのに。

(ん？でも風呂に誘ったのって....マリモの方じゃねぇか....昨日だって、俺が一人入ってるところにヤツが入ってきて....)

「マリモ、のぼせねぇうちに出ようぜ」
「おめぇ、先に出てろ」
「あ、俺はもうちょっと浸かってから....」
「....俺もまだ....」

(マリモもやっぱり....)

サンジは改めて確信した。さっきのキスが気持ちよかったのは自分だけでは無かったと。下腹部に篭ってきた熱のせいで、何やら変化してきているのはゾロもきっと同じなのだろう。

ゾロの方へ、またサンジがすぐ近くにまで寄ってきていた。それを追い払うように、ゾロが言う。サンジも負けていない。

「そっちの方が広いじゃねぇかよ....何でわざわざこっち側に寄ってくるんだ」
「な、マリモ....」
「あ？」
「おめぇ、抜かなくていいのか？」
「なっ....何言ってやがる」
「昨日みたいな感じでいいからさ.....やろうぜ？」
「き、昨日は.....もう忘れるって事で終わったんだろうがっ」
「てめェから仕掛けてきといて....今さら逃げんのか」
「誰が逃げるか.....てめェの手なんざ別に借りなくたってな....」
「自分ですんの？」
「てめェに関係ねぇだろ」

サンジが湯船越しにゾロの下半身にわざとらしく目をやる。ゾロがそれを避けるように少し身体の向きを変えた。しかし、タオルで隠す事もしないその部分は、形状の変化がはっきりと分かった。



BACK←←　→→NEXT

---

何だか始まったみたいですが...まだまだこれからです。





Pirates MENU

NOVEL MENU


TOP