〜小悪魔の館〜

オレンジの風に吹かれて


　〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***




「んっ.....はぁ....」

口が渇くのか、時折漏れるサンジの声が掠れてきている。また喉を見せ、切なそうな表情で薄っすらと目を開き、口も半分開いてきている。

「んんっ....」

思わずゾロは、その半開きの唇にかぷりと食らいつき甘噛みした。そろそろと舌を侵入させると、サンジの舌に絡め取られ、強く吸われた。

「んっ....」

サンジの舌の動きに反応して、ゾロは思わず声を漏らした。何度もゾロの舌を吸いながら、サンジは膝を立てたり伸ばしたりする。手はゾロの脛の辺りを掴んで忙しなく動く。

「んぁっ....」

息を確保しようとサンジが唇を離した。ゾロは思わずサンジを支える腕に力を込める。

「あぁっ....も....」

のけぞったサンジの唇が再び塞がれた。と、同時にゾロの手の動きが早まり、サンジの腰が浮き上がる。

「んんっっ....」

呻き声と共に始まった断続的な痙攣に、サンジの身体は震える。思い切り伸ばした足が、湯船の中をかき回し、ドボンと音を立てる。一瞬白く濁った湯が徐々に透明に戻っていった。ゾロは左手の中で心臓の鼓動に似た動きを感じながら、しばらくの間、膝の上のサンジの身体を抱き締めていた。

「「はぁ.....はぁ.....」」

ゾロに支えられ、下半身は湯の中の浮力で軽く、このままウトウトとしてしまいそうに心地よかった。サンジは荒い息をしながら、徐々に頭が冴えてきた。前日の時とは違う、急激に引いていく感じではなく、ゆるゆると引きずる余韻に浸っていた。

(ん？マリモ....)

ゾロも同じように息が荒かった。やがてサンジは腰の辺りに熱く硬いモノが当たっている事に気付いた。

「....っ、おい....」
「.....あ？」
「ココ....えれぇ事になってんぞ」
「.....あぁ...そうらしい」
「俺に....煽られた？」
「...そうかもな」
「これ以上は辛ぇだろ」

サンジの手がゾロの下腹部へ伸びた。昨日触ったモノと同じとは思えない程、硬く張り詰め重量感があり、熱をじんわりと伝えてくる。軽く握ってやると、ピクピクと脈打つのが手に伝わってきた。

「このカッコじゃやり辛ぇ....」

右手を伸ばし易い位置を見ながら、ゾロと並んで座った。

(やべぇ...何か、俺....)

サンジは戸惑っていた。

(今....コイツの身体に抱きつきたくて堪んねぇ....)

サンジの身体のそこかしこに、熱が残っている。何かをぎゅっと掴んだり、しがみついたりしないと、その熱がいつまでも燻り続けそうだ。

しかし、今は、ゾロの熱を解放してやるのが先決。ずっと耐えていたのだろう事は明らかだ。

「並んでると...やっぱやり辛ぇな」

サンジはゾロに、膝に乗るよう促した。ゾロは"俺が？"とでも言いたげな表情になる。

日常では有り得ない程の至近距離と角度で、サンジはゾロの顔を見る。ゾロが自分にしていたのと同じように、サンジも背後から腕を伸ばそうとした。脇から腹にかけて手が触れて、その無駄なく硬く引き締まった部分のしなやかさに感動した。思わず腹筋の割れた部分を指先でなぞった。

「おい.....」
「....くすぐってぇか？」
「じゃなく...て....」
「悪ぃ....もっと下....だよな？」

臍からさらに下へと手の平を滑らせていく。ゾロの小さく息を呑む気配を感じた。湯の中で下腹部から浮き上がりながら揺れる、髪よりは少し暗い緑色の毛が、サンジの手に触れた。

これからどんな風に、この男は感じていくのだろうか。どんな顔をして、どんな声を出すのだろうか。

そんな事を漠然と考えて、何かの期待感を持って、行為を始めようとしているサンジ。少し焦らしてみたいという欲求まで出てくる始末だ。



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