〜小悪魔の館〜

オレンジの風に吹かれて


　〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***




だんだんと身体が温まるにつれ、ゾロの身体に幾つも刻まれた傷の、まだ比較的新しいものが、ほんのりピンクに染まってくる。袈裟懸けの大きい傷ばかりが目立つが、それより後にも幾つも傷ができている。その殆どが、サンジの見ていない時にできたものだ。

例えサンジが傍に居たとしても、防げなかったものが多いのだろうが、ただ、戦いでやむなく受けた傷ばかりではない。勿論サンジがその詳細を知る由も無いのだが。

ゾロの気持ちよさそうな様子を見ながら、自然とサンジも湯船に足を入れていた。できるだけ静かに入ろうとして、かえって湯が揺れてゾロの顔に飛沫がかかってしまった。しかしゾロはそれに反応もせず、目を閉じたままだった。

あまり離れているのも不自然だったので、手を伸ばせば当たるか当たらない程度の場所に、サンジは腰を下ろした。心地よい温度の湯が身体を包み、気分がほぐれていくのが分かる。

「あー....気持ちいいな」

サンジは深呼吸をして湿度の高くなった空気を思い切り吸い込んだ。身体の隅々まで潤っていくような気がしてくる。隣にいるゾロの顔を窺うと、額に僅かに汗をかいているだけで、静かに座ったままだ。

浴室に入った瞬間には、慣れない匂いにすぐ気付いたが、鼻も慣れてきて何とも感じなくなってきた。室内が少し霞むほど湯気が充満していて湯温も丁度良く、のぼせるギリギリまで浸かっていたいぐらいだった。サンジは胡坐をかくように曲げていた足を伸ばし、浴槽の底に両手をついた。

「あ」

ゾロもいつの間にか同じように手をついていたらしく、指先同士が触れ合った。慌ててサンジは少しだけ手を自分の方へ退く。目を閉じていたゾロが片目を開け、何が起きたのか確認した。

「おめぇ、大丈夫か？」
「え？何が？」
「のぼせねぇように....」
「いや、それ言うならおめぇだろ...俺より長く浸かってんじゃねぇか」
「俺は鍛え方が違う」
「鍛えたら....って、そんなの聞いた事ねぇよ」
「俺に付き合って入ってるこたぁねぇ。倒れてもここに置いてくぞ」
「誰が倒れるかっ。おめぇこそ普段から血ぃ足りてねぇんだから....」
「心配してくれんのか？お優しいこって」
「てめェの心配なんざ....ぁ？」
「ん？......ぁ」

サンジの視線の先.....何となく目を向けたその場所.....湯船の中なので確認し辛いが、明らかにゾロの股間に付いているモノが天を仰いでいる。湯の動きに乗って、少しだけ揺れている。

ゾロも、それに気付いた。そして今度はサンジの方に目をやりながら言う。

「コック....おめぇもだ」
「えええっ？」

サンジは自分の下腹部を見た。むしろ自分の方が、見てハッキリ分かるくらいに屹立していた。湯の動きにもそれほど動じず、硬さがあるように見える。

「.......？」
「......のぼせて、そっちに血が集まってんのか？」
「ばっ.....バカ言ってんじゃねぇよ！」
「ははーん、俺の手の感触、思い出してたんだろ...ったく、とんだエロコックだな」
「いっ....？！」

ゾロがニヤリと笑いながら、サンジに詰め寄る。


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測量室には、ウソップが本を戻しに、そして一緒にチョッパーも本を入れ替えに来ていた。全部読みたい本を持ち出すと、後で整理が大変になりナミに怒られてしまうので、読み終えた本はこまめにここに戻しに来る。

机の前に座り、ナミが寝る前の一仕事に勤しんでいた。そして髪をかきあげながら、小さく声を上げた。その声をチョッパーが捉えた。ナミの方を見ると、両方の耳たぶを触りながら、困った顔をしている。



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一体何が始まるのでしょう（今さら..汗）





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