〜小悪魔の館〜
オレンジの風に吹かれて
〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***
ゾロがふと気が付くと、隣に座るサンジの股間に手を伸ばしていた。手の中には、硬直したサンジのペニスがあった。一瞬と言えるかどうか、数秒なのか数分なのかは知れないが、気が遠くなっていたか、眠っていたような気がする。そんな朧げな意識の中で、このような事をしていたのかと、ゾロは不思議に思った。
サンジは目も虚ろで眠そうだった。このまま寝こけて溺れても困るので、ゾロはサンジの背後に回り、身体を支えた。肩越しにサンジの下腹部を覗くと、変わらずソコはシッカリと上を向いている。
(何だか....昨日とおんなじじゃねぇか)
少し冴えてきた頭で考えてみるが、昨日と同じ状況なら、同じ事をすればいいだろうと単純に考えた。
「おい....コック」
サンジの耳元近くでゾロが声をかけると、何とかサンジは目を開けて反応する。完全に眠っている訳ではなさそうだ。
「俺が支えてやるから....昨日みてぇに膝に乗れ」
浮力の助けも借り、サンジの身体を抱えて膝に座らせた。
「っ....何で....」
ゾロの股間にサンジの尻が当たり、途端半勃ちから完勃ちになった。サンジの身体がゆらゆらと揺れる度、左右に擦れて微妙に気持ちいい。ゾロはそちらに気がいかないよう、サンジの身体を支える事に集中した。
「とりあえず、コイツをどうにかしてやらねぇと」
右手でサンジの胸から腹にかけてしっかりと抱え、左手は下腹部へ。角度も力加減も、そして扱き上げる時の指の位置も、動かす速さも、すっかり手が覚えている。
「始めるぞ...」
ゾロの肩にもたれているサンジの表情が無防備で、思わずキスをした。
(いや、違う....)
違う、と思いつつ、唇の感触が心地よくてもう一度触れたくなった。再びゾロは唇を近づける。
「......マリモ？」
「....ん？」
「もしかして....俺に....キスしてんの？」
「あぁ」
「それって....俺の事.....」
「もう黙れ」
「んんっ....」
「......」
「......ぷはっ.....好き....って事か？」
「そうかも知れねぇし....違うかも知れねぇ」
「何だ、ハッキリしねぇな」
「もし、そうだとして....何か不都合あんのか？」
「不都合って.....そんなの別にねぇけどよ」
「そうか、それならいい」
「じゃ、好きって事だな？」
「細けぇ事言うな。不都合ねぇんだったらいいだろ」
「....俺の方の気持ちはどうでもいいのか？」
「.....あぁそうだな、一応聞いとくか」
「それが好きなヤツに対する態度かよ」
「.....うるせェ」
サンジの気持ちを聞くまでも無く、勝手に解釈して納得するゾロ。再び唇を寄せていく。
＊＊＊＊＊＊＊＊
唇が重なった時、更衣室で物音がした。ゾロは数秒間の感触を堪能した後、ゆっくりと唇を離した。話し声から物音の主はウソップらしい事が分かったが、服を脱いでいる様子も無い。これから風呂に入ろうとしている訳では無さそうだ。
ゾロは気にせず離しかけた唇をまた近づける。フッと意識が遠のき、粘膜同士の接触面以外の身体のパーツ全てが、別の空間に飛ばされたような感じがした。
扉が開く音。何かを話す声。近付く足音。
「だよな.......」
ウソップが自分に向かって話しかけたような気がした。最後の方しか聞こえていなかった。意識が徐々に鮮明になってきて、視界が戻ってきた。
ゾロがその声の方へ視線を向けると、こちらを見ようとした姿勢のまま動かないウソップと目が合った。さすがにマズイかと何とか気付いたゾロは、サンジから唇を離し、何か適当な理由を探した。
勿論、そんな都合のいい理由など無い。
BACK←← →→NEXT
なかなか素直に認めません。
Pirates MENU
NOVEL MENU
TOP