〜小悪魔の館〜
オレンジの風に吹かれて
〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***
測量室を出て行く二人を見送りながら、ナミはロビンと顔を見合わせた。
「一体どうしたって言うのかしら」
「慌ててたわね」
ロビンはチラリと更衣室の方向へ目をやり、しばらく目を閉じた。
「なるほど....ま、色々あるのよ」
「そうね。そうみたいね」
(ちょっと追加しただけで、効果絶大ね)
試しに使ってみた、その香りの良い液体の入った小瓶を振りながら、ナミはくすりと笑った。
＊＊＊＊＊＊＊＊
「マリモ...湯も冷めてくるし...出ようか」
「ん....？」
「お目覚めですか....姫」
「ぬぁっ？」
姫と言われてではなく、横向きの体勢でサンジの膝に抱かれている事に気付き、ゾロはおかしな声を上げた。
「ほらほらお静かに」
「なっ...なななんでこんな格好っ！」
「てめェがこっち向きにしがみ付いてきたんだろうが...」
「うぇっ？」
「そんなに俺を慕ってくれるマリモ君を、俺が優しく受け止めてやったんだろうが」
「てめっ.....いい加減な事言ってっと......」
「覚えてねぇの？」
「........」
覚えていない。いや、思い出したくない。
「ちょっとは覚えがあるみてぇだな」
「くっ......」
「ま、俺も.....色々世話んなったみてぇだし」
「......」
「お互い様って事で」
「何で....」
頭ではゆっくり考えたい事が、現実の世界では急速に進んでいく。
「後悔....してんのか？」
「.....」
「嫌、なのかよ」
「....質問多すぎだ」
「そんな顔してっからだろ」
昨日やった事と何ら変わりはない。それなのにこの湧き上がるような気持ちはどう説明したらいいのだろう。そう思っているのはゾロだけではなかった。
「マリ...モ」
「ん？」
「明日か明後日あたり、次の島に着く」
「....らしいな」
「買出しと情報収集、一緒に来てくれねぇか」
「...俺でいいのか」
「....ご指名、なんだけど？」
「....分かった」
「迷わずに付いてこいよ？」
「るせーな、いちいちそれが余計だっつーんだ」
予想通りの台詞を吐く様子を愛おしそうに眺めながら、サンジは左腕の中にあるゾロの頭を引き寄せた。あ、しまった....というような表情になるゾロ。でもそのままじっとしている。
「もう気付いてるんだろ？」
「....何を」
「てめェの気持ち」
「何の話だ」
「....俺の気持ちもな」
気付いたというより、ほぼ確信。
サンジを見上げるゾロの顔は、何か覚悟を決めたような色を浮かべていた。迷いのない目を向けてくる。
「そういうトコが憎たらしいんだな、おめぇは」
「はぁ？」
「憎たらしくって、どうしようもねぇよ」
サンジの顔がゾロに近付く。
密着するギリギリまで目を開けている二人。
「目、閉じやがれ」
「てめェこそ」
「俺が先に閉じたらカッコつかねぇじゃねぇか....姫」
「誰がっ」
「俺の腕の中に居るんだから、大人しくしな」
「てめっ....」
それでも唇が重なると、ゾロは反射的に目を閉じる。
(やっぱりコイツ....)
さきほどまでの憎たらしさも忘れてしまうほど、サンジは夢中でゾロを抱き締めた。
(....って、腕ん中に納まんねぇし)
舌を
出そうかどうしようか、迷いながらキスを続ける。ゆっくりと唇を開くと、ゾロも同じように合わせ目を緩めた。それはまるでサンジの侵入を待っているかのようだった。
その誘惑にあっさりと乗り、差し出した舌先は絡み取られた。舌の表面同士が擦れ合い、裏面を舐め合い、そして何度も吸い合った。
「ここ出ようと思ってたのに....」
「もう、今度こそ出る」
「身体、ふやけちまう」
「ったく...」
＊＊＊＊＊＊＊＊
BACK←← →→NEXT
天然ゾロにヤラれるサンジ....
Pirates MENU
NOVEL MENU
TOP