〜小悪魔の館〜
オレンジの風に吹かれて
〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***
体勢を立て直し、互いに向かい合うように横になる。サンジの肘が辛そうだったのをゾロが気遣ったのだ。ゾロからそんな扱いを受けた事がなかったサンジは、少し戸惑った顔をしている。
「何でそんな顔する」
ぶっきらぼうな口調、眉間の皺。いつものゾロの顔だ。しかし剣士として放つ気迫は感じられない。
「意外と優しいんだな....って」
投げ出されたゾロの手を取り、指先にサンジがキスをすると、ゾロの目元が緩んでいった。その変化を確認しながら、サンジは顔をさらに接近させた。
さっきから焦れったくて堪らなかった。なかなか先に進めない。しかしゾロが何かを仕掛けてくる様子はない。逆に待っている風でもない。今のこの状態を楽しんでいるのだろうか。
「コック....何考えてる」
「おめぇこそ....澄ました顔しやがって」
「どこがっ....てめェの目は節穴かっ」
覗き込んで確かめてみれば、ゾロの目は血走っていて、周りも微かにだがピンクに染まっている。
それなのに、余裕があるように見えてしまう。
(そんだけ俺に余裕がねぇって事かよ.....)
顔を近づけたまま何もしなくなったサンジに、ゾロの方から仕掛けていく。柔かく唇が重なった瞬間、舌技が始まった。どこをどうすればサンジが陥落するか、もう分かっている。サンジも何とか対抗してみる。しかしサンジがやや劣勢のようだ。
「んんっ....」
「んぁっ.....」
もうオイルランプからの匂いはしなくなっていた。大した効果はないようだ。
(そんな物無くても...)
いつの間にか上半身裸になっているゾロが、サンジにも脱ぐよう顎で促す。ここが男同士の楽なところ....と考えるべきなのか。
(レディ相手にこんな事したら...絶対嫌われるぜ)
サンジは、ゾロが女相手に優しい手つきで脱がせていく様を想像し、いやそれはありえねぇ、と取り消した。
「おめぇな....いちいち思考がどっかいくの、止めろ」
「.....悪ぃ....」
「俺の事だけ考えてろ」
「.......え」
(マリモの癖に....んな事言うんじゃねぇっ.....)
また涼しい顔しやがって。悔しさを通り越して、悶えて暴れたくなる。
「コック、今度は何だ？」
「てめっ.....」
サンジは何かを掴んで放り投げたくなる衝動を、辛うじて抑えている。逃がしきれないモヤモヤとした、叫びたくなる気持ち。
「しょうがねぇなぁ.....」
まだ脱ぎかけのサンジの衣服を、ゾロが緩めながらするりと下ろした。そのまま両手を背中に回し、抱き締めながら押し倒した。
「おめぇも....腕....」
サンジの両腕をゾロの身体に回させた。しっかりと抱きつくと、さっきの衝動が少しずつ収まってくる。
足が触れあい絡み合うと、自然と下腹部もぶつかり合う。初めての感触に、二人とも一瞬動きが止まる。
サニー号の大浴場で、さんざん互いの手で抜きあったのに、下着越しで触れ合う事の方がよっぽど刺激的だ。無意識に擦りつけるようにすれば、さらにその硬さも増す。
(うわ.....何かこっちの方がエロい....)
サンジの心拍数が上がってくる。ゾロの方はよく分からない。気のせいかも知れないが呼吸が少し荒くなっているようだ。戦闘以外でもこの男が興奮する事があるのか、とサンジは少し安心した。
(ん？何で俺.....)
血走った目と荒い呼吸のゾロ。考えただけで自分の血が沸きあがってくるような気がした。
「んっ」
思わずサンジは声を漏らした。いつの間にかゾロの頭がサンジの胸の上にあった。ゾロの左手はサンジの右胸に。ゾロの顔が左胸に。
「おいっ...マリ....モ」
舌先で突かれる度、痒いようなくすぐったいような、不思議な感覚に襲われる。このままされっ放しは悔しいので、サンジも腕を伸ばしてゾロの身体をまさぐった。サンジの細い指先が、逞しく隆起した胸の頂に触れると、ゾロの身体がぴくりと震えた。
「んぁっ.....」
半分息が混じったゾロの声が、サンジの肌に遮られて響く。
(その声....マジ堪んね......)
ゾロの身体を少し押し上げ、サンジはゾロの胸の下へ潜り込む。舌を出してゾロの両の胸の突起を交互に舐めた。
「んっ....」
サンジの頭を抱き、何度も髪を撫でながら、ゾロはサンジの愛撫を受ける。サンジの胃のあたりでは、ゾロのすっかり硬くなったモノが何度もぶつかってくる。
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始まった...
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