〜小悪魔の館〜

オレンジの風に吹かれて


　〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***




「外に....」
「いいからっ.....」

理由は分からないが、サンジは最後までゾロに自分の中に居て欲しかった。サンジが腰を突き上げると、ゾロはそれをしっかりと抱えこんだ。そしてそのまま激しく何度も腰を打ち付けた。

「うっ.....」
「んっ...あ」

どちらが先か分からなかった。しかし一瞬頭の中が真っ白になり、また色が戻ってきた頃には、互いが"終わった"事を確認した。

少しずつ頭が冴えてくる。心臓の鼓動は激しかった。最後の方はよく覚えていないが、かなり声を上げてしまったような気もする。

二人とも。

ゾロはサンジの腰をあらためてしっかり抱え、またサンジはゾロにしがみつくようにして、なかなか離れる気配がなかった。サンジは自分の中で、ゾロの鼓動を感じた。

「う.....マリモ」
「どうした？」
「いや...何でもねぇ」

とりあえず一言礼を、と思ったサンジだったが、何に対してと問われると答えに困るので、言うのを止めた。

そんな事とは知らず、ゾロはまだ不安げな顔でサンジを見ていた。

「....身体、平気か？」
「.....だから....大丈夫だって....本当におめぇは」
「痛くなかったか？」
「....あぁ」

---痛いどころか....すげぇよかったぜ。

(これは言わないでおこう)

ゾロは幾つもサンジの顔にキスを落とした。何度目かに到達した唇に深く舌が入ると、サンジも応じた。





「コック、手伝おうか？」
「いらねぇ」
「やり方、教えようか？」
「それもいらねぇ」
「傍で見てなくていいか？」
「うるせーおめぇはサッサと寝ろ」

やっとの事でゾロを突き放し、トイレで一人になれたサンジ。しばらくじっとしているのはゾロに注ぎ込まれたモノを身体の外へ出す為だ。

(俺なんか、マリモん中に2回も出しちまったからな)

きっと怒ってたんだろうな。なのに....。

一方、ゾロはベッドの中でサンジが戻るのを待っていた。

「ったく....何であんなに俺は丁寧にしてやったんだ」

適当に済ませて早く寝ればいいものを。

(そんな事....できっこねぇだろ)

何が何でも傷つけるのだけは嫌だった。それに今回限りの関係にはしたくなかった。

「.....多分....俺の方が」

(惚れてんだろうな....)




ベッドの空いた場所にまで手足を伸ばし、ゴロゴロと寝返りを打つ。そうしているうちにだんだん眠くなってきた。

「早く戻ってきやがれ」

意識が朦朧としかかった頃、サンジは用を済ませて戻ってきた。ベッドに視線をやると。チッと舌打しながら近付いてくる。

「おいコラ、俺の場所空けやがれ！」

顔面に軽い蹴りを入れると、ゾロが凄い形相で目を開けた。

「てめっ....何しやがるっ...」
「邪魔なんだよ」
「るせっ....ちょっと声かけりゃいいだろうがっ」
「ンなカッコしてるから悪ぃんだよ」
「うるせぇ早くココに寝ろっ」

ゾロはサンジの肩を掴むとベッドに引き入れた。サンジは丁度ゾロの胸の中に収まるように倒れこむ。

「だからっ...場所空けろって.....んっ」

ゾロに頭を手で押さえられ、キスをされたサンジは大人しくなった。が、それはほんの数秒。サンジはすぐにゾロの手を振りほどいた。

「こんなんで騙されねぇぞ」
「騙す気はねぇ....ただ」
「......」
「.....したかった....だけだ、悪ぃか」

(またてめェはっ.....)

横を向いてブランケットを引き上げ目を閉じたゾロ。その一見子供じみた態度が普段のゾロと結びつかない。サンジはそんなゾロを今すぐ抱き締めたい衝動に駆られた。

(ここは我慢....)

ゾロが調子付いてしまうのは忌々しい。だからそのままにしておこう。

「しょうがねぇよな、ったく....」

(俺の方が惚れてるんだろうから)



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優しくされると素直になれない。





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