すり抜ける風


　〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***



「ゾロ...」
「......」
「やっぱり無理だ...優しくしてやれる自信ねぇよ」
「俺への気遣いより、てめェの欲望優先かよ」
「そっ...そんな言い方しなくたって」
「昨日の今日だから、当然手加減するものと思ってたんだがな」
「.......できるだけ優しくする」
「アテにならねぇな」
「....じゃ.....主導権譲るよ」
「なっ...そんな簡単にっ」
「優しく.....しろよ」
「おっ....めぇ.....今ここで急に言われても」

ゾロは、もう受けの体勢に入っていた。ここで急に交代を告げられても、切り替えができない。しかし昨日と同じようにサンジを受け入れたら、明日はもっと体が辛くなることは簡単に想像できた。

「何でてめェは、加減を知らねぇのか....」
「え？」
「だいたい、俺がヤッて大丈夫なのか？」
「大丈夫...じゃないだろうな」
「...分かってて、言ってんだな」

ふぅ、と息を吐き、ゾロは目の前の男の頭を引き寄せた。先ほどの熱く激しい行為が再開された。

「んん....」

「本当にいいのか？」
「何でそんなに何度も訊くんだよ？」
「やっぱり...慣れねぇことは....」
「ゾロ....俺じゃデキねぇってことかよ？」
「何言ってんだ。そうじゃねぇ....ただ」
「ただ....？」
「俺ん中が.....腹立つくらい、おめぇを...待ってるみてぇなんだ」
「っ........ゾロ.....」
「.............チッ」
「ゾロ....俺.....」
「あー、もういいっ....何も言うなっ.....」
「俺、やっぱりゾロ抱きてぇ」
「.....昨日みてぇのは、勘弁してくれよ」
「分かってる....」
「何だよ、泣くなよ」
「感動の涙だ、バカ」
「バカはてめェだ、感動するほどのことか」
「また最初から...キスしていい？」
「最初って何だ？決まりなんてねぇだろうが...どうでも好きにしろ」
「ゾロ...マジ....死ぬほど好きだ」
「.........あぁもー....わぁったから、死なねぇ程度にしてくれ」
「好きだぁぁ....」
「バカなやつ...」
「バカでもいい。とにかく好きだ！」
「本当に....もうわかったから。俺もだ」
「うっ...」
「また泣いてる」
「だからぁぁ、感動の涙だっつーの」

ゾロからの思わぬ言葉に、サンジは脱力しながらも、自分を待ってくれているらしいその男の頭を抱え、唇を寄せていった。まだ感動が収まらないのか、その唇は微かに震えていた。
ゾロの手がサンジの手に重なった。まだ閉じたままのサンジの唇に、ゾロの吐息がかかる。

早く開けよ

そう催促するかのように、ゾロの舌が突きにかかった。

(そんなに急かさなくたって、ゆっくり、思う存分、愛してやるからよ)


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