すり抜ける風


　〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***



脱力するサンジの体を、両手でしっかりと支えているゾロ。速い呼吸を確保するため、顎を上げて頭をゾロの肩に載せているサンジ。少し体勢を立て直すと、ゾロは左手についた生温かい体液をタイルの床に振り落とした。そしてまだ手のひらに付いている残りを、音を立てながら舌で舐め取る。

そんな扇情的なことすら、無意識にやっているゾロを、サンジはぼんやりと眺めた。

「なぁ....」
「あァ？」
「お前のも....」
「時間そんなにねぇぞ？寝る時間が減る」
「この状態で寝るって？」
「気合で鎮める」
「できるもんならやってみろ！」

それではお手並み拝見、とゾロは浴槽の縁に腰を下ろした。ここに座る時は、殆どがこれから始まる行為を受ける時。サンジもすっかり要領を得ていて、ゾロの足の間に跪き太腿に手を載せる。眼前にそそり立つモノの裏筋に舌を這わせた。

「っ.....」

息を呑む音。ゾロの眉間に一瞬皺が入り、彼は目を閉じた。でもまたすぐ目を開け、サンジの行為を見つめている。ずっと休むことなくサンジの舌が動き回っている。

人のコトばっかり言いやがって。

(てめェもたいがい、エロいってんだ)

浴槽の縁を掴んでいた手を離し、サンジの方へ伸ばした。長い前髪が落ちていて、顔が見えない。それを掬い上げ、頬に触れる。

何か言葉をかけてやろうとしたが、最近目覚しい上達をみせている、サンジのテクニックのせいで、頭がうまく働かない。黙っているのは余裕があるのではなく、次々と湧き上がってくる快感を何とか押しやり、流されないようにするため。

今、うっかり欠伸でもしようものなら。
自分では聞きたくないような、声を発してしまいそうになるのだ。

そんな状況下であることをサンジは察しているのか、両手をゾロの腰に回して抱きかかえるようにしてきた。さらに深く咥えこみ、喉のあたりを動かしながら、ゾロ自身の先端の軟らかい部分を刺激する。

「んあっ....」

ちょっと、それはヤメろ...。そんな意味を込めたつもりだったが、サンジは逆の意味に解釈した。唇や舌の動きの合間に、何度も喉の動きを加えた。

ゾロの手がサンジの頭を離れ、肩に下りてきた。どんどん体に蓄積されてくる快感をやり過ごそうと、忙しなく手が動き、時には強く肩を掴んだりする。

(何をそんなに我慢してんだ。さっさとイキやがれ)

サンジの絶妙な力加減での唇の動きと、舌を使った吸い上げに、ついにゾロは意識を手放した。ゾロに腰を突き上げられ、喉が苦しくなりながらも、サンジは口内に勢いよく吐き出されたモノを、全て受け止めた。
堪らず声が出てしまったゾロ。思わずサンジの頭を手で押さえつけた。


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