すり抜ける風


　〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***



「きっとエースがゾロに何かやらかさねぇように、サンジは監視してんだよ。すげーなー....ゾロって本当にサンジに愛されてんだなー...」
「........」
「いーなー....」

上目遣いでゾロの方を見ながら、羨ましそうにルフィは言った。

「あ、そうだ....」
「ん？」
「エースから教えてもらったんだけどな」

ゾロの上腕にちょこんと頭を載せたルフィは、思い出したように語りだした。

「自分が好きになるヤツは、その相手の顔を見たら分かる。自分を好きになるヤツは、ニオイで分かる...って」
「.........」
「俺、ゾロも俺のコト好きだと思う」

一瞬、間をおいてから、ゾロはルフィの頭を撫でながら言う。

「あぁ....好きだ」
「それってさ.....何だか....エースに言われてるのと、おんなじ感じがする」
「そうか？」
「なぁ....今だけでいいから....それとは違う、"好き"になって欲しいんだ」
「.....それとは、違う....って、一体、どうすればいいんだ？」
「なぁ....。俺のコト」

ルフィがゾロの頭をガシッと掴むと、少し強引に唇を重ねてきた。あまり慣れていない感じがした。ゾロはじっとしたまま、ルフィが離れるのを待った。

「....好き？」
「あぁ」
「....ゾロのアホ」
「.....」

ルフィはチラリとエースの方を見た。兄は片手をこちらへ向けて何かサインを出している。

(....あっちは楽しそうだな....)

ゾロがまたルフィの髪を撫でる。

「何、よそ見してんだ？」
「ん？」
「そんなんで俺を口説けるのか？」
「ゾロ....」
「これくらい、やってみろ」

ルフィの黒髪の間に指を通し、今度はゾロが口付ける。数回角度を変えて吸った後は、舌で分け入り中をかき回した。

ルフィの目がとろりとなってくる。

「まだまだ、お前には早い」
「........ガキ扱いすんなっ、ゾロ」
「出直して来い」
「......ゾロのアホ」
「てめェさっきから、人のことアホ呼ばわりすんな」
「サンジじゃねぇと、駄目なのか？」
「.......駄目だ」
「..........そんなハッキリ言うなよ」
「事実だからな」
「そのサンジ、今どうしてるか知ってるか？」
「あァ？寝てんだろうが」
「ちょっと見てきたら？」
「何でだよ...」
「.....まぁ、どっちでもいいけど」

ゾロの視線の先。サンジとエースの寝ているベッド。特に何も問題無さそうだ。しかし、ブランケットが不自然な壁を作っていて、二人の様子がよく分からない。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊

あれほど頑なに拒絶していた行為も、守りを突破されてしまうと心の守りまで崩れてしまう。エースから与えられる続けざまの激しく情熱的なキスが、サンジの唇や頬や顎、そして耳から首筋にまで降り注ぐ。

サンジのシャツの裾からエースの手が入り込む。

「すげェ綺麗な肌してんな...堪んねぇよ」
「.........」


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