すり抜ける風


　〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***



(難攻不落....。その方がワクワクするぜ)

ゾロの脇腹をすっと撫でるエースの手。そのほんの些細な反応から、次に攻める場所を決める。

(やっぱりコイツ、触られ慣れてる....)

あのサンジが、今目の前に居るゾロを....。

サンジとは違う、肌の感触。男らしいのに、その奥底から湧き出てくるような色気。今のところ、店では男からの指名は無いらしいが、男客が来てるのは知っている。ゾロと飲み比べをして、つぶれそうになった者もいた。

ゾロの厚い胸を露にしたところをエースの唇が滑っていく。余分な脂肪もなく、硬く引き締まったその腹部に思わず目を奪われた。そして彼の手はゾロの下半身の着衣を乱していく。さっきの宣言通り、何の抵抗も示さないゾロ。エースは手馴れた感じでするりと布を剥ぎ取っていく。

ごくり、と唾を飲み込む音が聞こえた。エースは手で触れる前に、いきなりゾロの熱の篭った彼自身に舌を這わせた。

「んっ...ぁ....」
「やっぱりイイ男は、声もイイな....」
「んんっ....は....」
「マズイな...」

エースは自分の体の奥に燻る熱が、じわじわと育ってくるのを感じた。サンジの手によってもたらされた快感も、発散できずに一度鎮めこんでしまった。そしてそのまま少し眠り、目が覚めたらサンジは隣には居なかった。

キッチンの方にでも居るのだろう。ルフィも居ないところを見ると、何か食べているのかも知れない。

「ゾロ、アイツらはしばらく戻ってこねぇと思うから」
「？」
「いっぺんに済ませちまおう」
「おい....エース？」

＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「旨ぇなー、やっぱりサンジのメシは最高！」
「あーこれでしばらく眠れねぇな」
「俺寝なくても平気だから」
「おめぇは良くても、俺はダメなんだよ！肌に悪い」
「肌ぁ？何だ、女みてぇなコト言って」
「俺は顔で売ってるホストシェフだ。いつも手入れには気ぃ遣ってるんだよ」
「ふーん...サンジみてぇな顔が人気あるのか？変わってんなぁ」
「おいルフィ、喧嘩売ってんのか？」
「わーりぃわりぃ....ははっ」
「朝メシまでの繋ぎだからな....あんまり食うなよ？」
「大丈夫だって！俺一日5食は軽くいけるから！」
「ったく...その細い体のどこにそんだけ入るんだ？...あ、それより....」

サンジは壁にある時計をチラリと見た。

「今からじゃ、あんまり寝られねぇな....まぁ一日くれぇ寝不足でも平気だけど....俺の肌デリケートだから、顔に出るんだよな...」
「仕事休みにすればいいじゃん？」
「アホ！客商売舐めんじゃねぇ！寝不足でイチイチ休んでたら、次の日から仕事なくなっちまう。そんな甘ぇこと...」
「ゴメン.....」


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