すり抜ける風


　〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***



ゾロが吸い上げを強くし、2本の指の動きを細かく速くすると、エースは唸り声を上げながら達した。

「んぐっ....あっ....も.....うぁぁぁ....っ」
「俺のも....」
「ん....んん」
「ぐ....はぁっ....ぁぁっ....」

僅かに遅れて、ゾロも絶頂を迎えた。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「あー食った食った....」
「結局、俺の分も半分取って...食い過ぎだ」
「これでも足りねぇの！サンジって小食だなー」
「これで普通だろ。ゾロだって俺より少し多いくらいだ。お前は底無しか？」
「そう言えばさー、ずーっと昔にエースとメシ食いに店に入ったら、『もうこのへんにして帰ってくれないか？』って店のオッサンが頭下げてきたんだ。もう材料が無くなりそうだから、って」
「確かにエースもすげぇ食いっぷりだもんな。初めて一緒にメシ食った時、その勢いに圧倒されたよ」
「だろ？食ってる時もエースはカッコいいんだ！すげぇだろ」
「ところで、そのエース....お前と一緒でよく食うんだから、やっぱり腹減って起きてくるんじゃねぇ？」
「うーん、俺ほどじゃねぇけど、もう腹は減ってると思う」
「じゃ、ゾロの分も一緒に作るかな」
「俺、起こしてくる！」
「ああ...。あ、いや、いいよ！これ片付けたら俺が起こしてくる」

＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「あーあ....とんでもねェ、ネコ騙しだったな」
「はぁ....？何が...っすか？」
「いかにも攻めてきそうな面してるクセに、誘い受けだしよ....それなのに、この俺を先に終わらせやがってよ...あんな技、フツーのネコは使わねぇって」
「....俺、変わってるってことっすか？」
「ぷっ....いいや、そうじゃねぇけど....意外性NO.1だな。今までに会ったことのねぇタイプ」
「.....」
「ふぁ....気持ちよくイったら次は眠くなってきやがった」
「俺も...」
「ちょっとだけでも寝とくか？」
「そうっすね」

エースとゾロは、そのまま睡魔に勝てず目を閉じた。エースが元々寝ていたベッドに戻っていかないことに、ゾロは気付いていなかった。

(こっち戻ってきたら....ルフィ怒るかな....いや、それよりサンジがどうなるかな....)

やっぱりあっちのベッドに行くか....と一瞬思ったが、面倒くさくなってきたので、エースもそのままゾロの隣で寝てしまった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊

寝室にサンジが入ってきた。エースが寝ているはずのベッドへ視線をやったが、姿が見えない。

「エース？」

どこへ行ったのだろう？そして次にゾロが寝ているベッドへ向かった。見慣れた緑の頭の隣に、黒髪が見える。ルフィはさっきまで一緒にリビングに居た。ここに寝ているはずがない。

「エース....何してんだよ」

サンジは呼吸を整え、二人に近付き声を張り上げた。

「おい！何やってんだよ....さっさと起きやがれ！」

何事だ？どうした？とばかりに目を擦りながらエースとゾロは体を起こした。

「何で二人一緒に寝てるのか、説明しろ！」
「聞かねぇ方がいいんじゃねぇの...」
「うるせー！」


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