Ｄｅｂｕｔ
〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***
まだ、ゾロの熱の名残がサンジの手の内にあった。その温もりが手に馴染んできて、何だか手放し辛い。激しい射精が収まっても、サンジはずっとソレを握ったままだった。生温かく白いモノがサンジの手の甲や指の間を流れていく。
手の平はゾロの吐き出した体液でベトベトだった。なのに、すぐに拭き取りたいなどとは思わなかった。
そして空気の流れに乗って、その匂いが鼻をつく。自分のモノなら仕方無くても、他人のモノはわざわざ嗅ぎたくない。しかし今のサンジは、そうではなかった。
(全然嫌じゃねぇ......？)
"男"としてのゾロを、丸ごと受け入れている事を、サンジは思い知らされた。
疲れたし汗も少しかいたので、サンジはゾロを伴ってバスルームへと移動した。どうせ脱ぐのだから、全裸のままだった。それに多分、その後も脱いだままになるだろうから。
あれやこれやを拭き取ったタオルを洗濯機に放り込む。次はもっと多めにタオルを用意しないと。そんな事をサンジは考えながらバスルームのドアを開けた。
すぐに栓をひねり、ぬるめの湯で交互に流す。
「....」
「....」
「......」
「ん？」
シャワーの音に殆ど消されながら、サンジはゾロに呼びかけた。聞こえないだろうと思ったのに、ゾロは反応した。
「俺、まだハッキリ言ってなかったけど」
「うん」
「お前を....抱きたい」
「......」
「さっきな、ずっとお前の身体に触れてて.....もう、そのイメージしか湧いてこなかったんだ」
「.....勝手な事抜かしてんじゃねぇ」
「ゾロ....」
「ちょっと1回くらい、あんな事ヤラせたら、そういう扱いかよ」
「そんな言い方....」
「........」
「............」
「やり方、分かるのか」
「......聞いた事は、一応ある」
「もし無理だったらどうする....うまく、いきそうになかったら.....」
「そりゃ諦めるさ......お前の身体の方が大事だからな.....」
「そうかよ」
「......で、また時間おいて.....それか次の日に」
「そんな事までしてヤリてぇのかよ」
「ヤリてぇよ.....今すぐにでもな」
「.....！」
「でも、それも無理なんだ......今の俺には」
「どういう事だ？」
「.........うるせぇなぁ」
「あ？」
「仕方ねぇだろうが！」
「何を.....」
「ただちょっと好きかなって思ってたのによ.......」
「.......」
「本気で......惚れたんだよ！」
「.......」
「.......引いたか？」
「....引かねぇよ....ちょっと驚いただけだ」
「俺だって、驚きだぜ.....お前にこう何度も告るなんて思わなかった」
「.......っ......」
「ん？」
「お前の真似する訳じゃねぇが........」
「え？」
「俺も、多分......惚れてる」
「てめっ......."部屋に戻ってから"の予定が...完全狂っちまっただろうが！」
「お、俺のせいかよっ」
「てめぇが悪ぃ！」
「お......落ち着け！」
「無理だっ」
ゾロの口から"惚れてる"の言葉を聞き、サンジの最後の理性が吹き飛んだ。ゾロを思い切り抱き締め、何度もしつこいくらいのキスをし、吸い付き舐めまくった。
もう少し優しくしろ、と文句を言おうとしたゾロだったが、激しいながらもツボを抑えたサンジの行為に、その意思は萎んでいった。
お互い、無意識のうちに惚れた弱みを突き合っているのだ。
「後で.....ゆっくりしてやるから....」
とりあえず今は、とばかりにサンジはゾロの耳を舐め、首筋から鎖骨の窪み、厚く硬い胸に舌を這わせた。その頂の粒へ舌が近付いていくと、ゾロはサンジの頭に手をやり、そっと髪を撫でた。
「ん.....」
突起の周辺を舐めただけでも、ゾロは小さく反応し、微かな声を上げた。もう一方もサンジが指先でごく弱く触れた。聞き取るのが難しいほど小さな喘ぎ声が、鼻から抜けてくる。
「ゾロも....ゾロのココも好きだ」
「んっ」
サンジが手を伸ばした先には、"復活"したらしいゾロ自身が上を向いている。すっかり慣れた手つきでゾロを撫で上げるサンジ。
「んぁ.....」
「いい顔すんなぁ.....」
デレっとしてしまいそうになるのを何とか我慢し、サンジはゾロの顔を見つめる。何度もゾロ自身を撫でながら、ゾロの表情の変化を観察した。眉間に皺が入り、口呼吸の間隔が短くなってくる。
(うわ....すげぇ集中して感じてる)
サンジがずっと見ている事には、気付いていないようだ。
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....。
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