Ｄｅｂｕｔ
〔ご注意〕***30字くらいで改行されるよう、ウィンドウの横幅を適宜縮めてお読み下さい***
(俺の事、心底から信じてくれてる.....んだよな？)
それなのに、こうして顔をじっと見ていた事がバレたら。
(その時はその時！)
半開きのゾロの唇にサンジの唇が触れた。それだけの事で、ゾロと繋がったような気がしてくる。舌を差し入れようとすると、ゾロも同じように舌を出してきている。
(俺のキス、待ってたのか？)
ゾロのクセに可愛いとこあんじゃねぇか.....とサンジはにやけそうになるのを堪えた。そしてキスを続けながら思い出した。
(ん？ここで何するつもりだったっけ？)
互いの身体を流したら、次に備えてほんの少し戯れるつもりだった。そして初めて二人が繋がる為の、心積もりも必要だ。初めてだから、詳しくは分からないけれど、きれいに洗って、どのへんまで指が入るかとか色々確かめて、予行演習しておきたかった。
まるで初体験に不安と期待で胸を高鳴らせる少年のようだ。
(俺よりゾロの方が、もっと.....不安、なんだろうな)
サンジはそっと唇を離すと、ゾロは目を開けた。
(....ずっと目ぇ閉じてたのか......)
サンジはゾロが愛おしくて泣きそうになった。ゾロは不思議そうにサンジを見ている。
「.......どうした」
「ゾロ」
「ん？」
「できればずっとこうしてたいんだけどさ」
「......」
「ちょっと.....反対向いて.....そこに手ぇつけろ」
「......」
不安を隠しているのか、あるいは覚悟を決めたのか、ゾロは無表情になり、そのまま身体の向きを変えた。そしてタイルの壁に手をついた。ゾロの背中しか見えないのは、少々つまらないが、サンジは恐る恐る、ゾロの太腿の間から手を入れ、少し開かせたところへシャワーの湯を当てた。
「っ....」
しばらくそうした後、シャワーヘッドを遠ざける。ゾロはホッとしたような素振りを見せた。サンジは次に石鹸を泡立て、再びゾロの股間に手を入れ泡をつけた。粘膜のあるその部分をまず洗い、続いて少し指を入れてみた。ゾロの身体がぴくりと反応する。
「もうちょっと奥まで....挿れてみるけど....」
「んっ」
「どうしても駄目だったら言ってくれ」
緊張さえ解ければきっと大丈夫なんだろうが、お互い初めてだ。今日はうまくいかなくても仕方がない。でも、とりあえず今日は、"指だけでも"何とかしたい。
その緊張のせいなのか、今まで上を向いていたゾロ自身は、すっかり項垂れていた。
(ゾロ.....)
ついさっきは拒絶されるのでは、と思った。このゾロがそう簡単に男に抱かれる訳は無い。なのに今、サンジの目の前にいるゾロは、もう覚悟を決めているように見える。
(初めての男が.....俺で良かったのか？ゾロ...いや、俺だから良かったんだよな？)
今さらそんな事を言っても始まらないのに、サンジは少し弱音を吐いてみた。でもすぐ思い直した。ゾロの中を進入しようとするも、指はなかなか受け入れてもらえない。対してゾロは、異物感に耐えながらゆっくり息を吐く。
「痛いのか？」
「いや、平気だ」
「何か押し出されるような感じだ」
「自分の身体なのに、自由にならねぇ」
「あ、このへんなら.....」
ゾロの呼吸を読みながら、力が抜けるタイミングをみつけ、サンジは指をさらに奥へ入れた。
「んんっ...あっ」
「ゾロ？」
ゾロの脚がぐらついている。息も乱れている。
サンジの指先にコリッとした何かが触れた。
(も、もしかして見つけた......？)
確かめるように、その場所にそっと何度か触れる。ゾロが何かに耐えているようだ。ゾロの下腹部に目をやると、その中心に下がるモノが半分勃ち上がっていた。それを確かめると、サンジはさらに続けて、指先に触れるその場所を撫でるように指を動かした。
「んあっ.....」
立っているのが辛いのか、ゾロは片膝をついた。その膝の間には、白濁の液体が零れていた。サンジは思わずゾロの背中を抱いた。
「悪ぃ.....初めてなのに、色々やり過ぎた.....」
「.......大丈夫だ」
「もう、出よう」
「あぁ」
ゾロの身体を流してやりながら、サンジは何度もキスをした。そしてゾロの下腹部へ手を伸ばそうとしたが、それは阻止された。
「ん？」
「今、俺を疲れさせてどうする」
「.....ちょっと、触るだけ」
「ちょっと、で済むのか？」
「多分無理」
「馬鹿」
この後ベッドで....。そう暗に示したゾロに、サンジは思わず赤面した。
「....何、想像してんだ、てめぇ！」
「いや、別に.....っ」
サンジは気のせいか鼻の奥がツンときている気がした。
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....。
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